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面白い脚本をつくろう!物語をより良いものにするために覚えておきたい7つのこと

撮影に使用するカメラやロケーション、役者などは映画制作には欠かせない要素ですが、その中でも一番重要とされるのが作品の物語が書かれている脚本です。

作品の軸になる脚本は観客が引き込まれるような面白くて印象的な物語になってる必要があるため、基本的に撮影部分であるプロダクションよりも長く時間をかけることがほとんどです。

初めて短編または長編映画を作る方は考えているシーンや登場人物、主人公が抱える葛藤など様々な要素を詰め込んで物語を作っていきたいところですが、書いていくうちに「なんか違うな・・」、「これって面白いのだろうか?」と感じてしまう事もあると思います。

ここは脚本制作の中でも一番難しい部分で、物語に要素を多く入れてしまった結果、何が伝えたかったのかわからなかったり、盛り上がりが感じられない映画が出来上がる可能性があるので、脚本を書く際は物語の方向性やテーマなどをしっかり考えておく必要があります。

なんとなく頭の中にストーリーはあるけれど、どう書いていけばわからない・・」や「面白い物語を書くにはどうすれば良いのだろう?」と考えている方に、物語をより良いものにする7つのことを紹介したいと思います!

1. 三幕構成を意識する

これまでに数え切れないほどの映画が世界で毎年作られていますが、SFやヒューマンドラマ、ホラーなどジャンルの違う作品でも基本的に「物語の構成」は同じだったということはご存知でしょうか?

映画の多くは三幕構成(Three Act Structure)が使われており、1つの物語を3つの幕に分けることで主人公を中心に物語の変化を与えていきます。あまりピンとこない方は起承転結を3分割にしてより細かい設定を加えたものとイメージすれば問題ありません。

三幕構成については「物語をさらに面白いものにしてみよう!ストーリーを引き立たせる三幕構成(Three Act Sturcture)の基本」の記事でも詳しく紹介していますが、脚本を書く際に第一幕の「設定」、第二幕の「対立」、そして第三幕の「解決」を意識して物語を作っていくと良いでしょう。

物語をローラーコースターに乗っているような変化を与えることで、観客も引き込まれやすくなります。三幕構成やその間にあるプロットポイントも重要になるので、この2つをより知りたい場合は下の記事を合わせて読んでみてください。

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2. 物語はシンプルに

先ほどの項目では三幕構成を意識して物語を作ると書きましたが、要素を増やしすぎるのは禁物です。

作品を作るときに「絵的に綺麗だから」や「面白そうだから」という理由でシーンを付け足してしまいそうですが、各シーンには物語の意味や目的を持たせる必要があります。

無関係なシーンを含めてしまうと、観客は混乱してしまう恐れがあるため、物語の全体的な流れがわかるようシンプルに作るようにしましょう。しかし、アートや実験的な作品を作る場合はこれに限りません。

3. エンディングは明確に

三幕構成の中で盛り上がるポイントは第二幕のプロットポイント2第三幕のクライマックスです。

プロットポイント2は主に主人公が挫折している時に敵に対する切り札を見つけて、クライマックスはその敵を打ち負かすような見せ所があります。特にクライマックスは観客が一番盛り上がる部分になるので、「物語を通して主人公は最終的にどうなるのか?」というエンディングを明確にすると良いでしょう。

オーソドックスにハッピーエンドにするのも良し、クライマックスはどんでん返しにしたり、甘酸っぱいエンディングにするのもありです。

作ったエンディングにしっくり来ない場合は複数のクライマックスを作り、比較してみて物語に合いそうなものを選びましょう。

4. 登場人物は少なくしよう

物語をシンプルにする」という理由と同じように、物語に登場するキャラクターはそれぞれ役割を持たせる必要があります。あまり登場人物が多くなると観客は物語が進むにつれて誰が誰だかわからなくなる可能性があるためです。

主人公の友人や家族、敵などいっぱい欲しいところですが、登場人物を多くして印象を薄くするより、登場人物を少なくして一人ひとりのキャラクターの印象を強くする方が感情移入しやすくなります。

もちろん、登場人物を多くすることは可能です。タイタニックやハリーポッターを例にしてみると、これらの映画は非常に多くの登場人物がいますが、タイタニックは客船という一つの舞台を共有する事で各登場人物が引き立ち、ハリーポッターの場合は主人公への関係が明確かつ個性的な性格を持っているので、登場人物の印象が残ります。

このように人物を多く登場させる場合はキャラクターの背景や物語での役割をしっかり考える必要があるため、かなりの時間を費やす可能性があるので注意が必要です。スムーズに物語を伝えたければ、適度な人数にするようにしましょう。

5. 善と悪

物語の主人公の目標とそれに対する葛藤や対立を上手く見せることで、観客を感情移入させることが出来ます。一番簡単な方法は「善と悪」をハッキリさせるということです。

マーベルコミック出てくるようなスーパーヒーローと悪役という形でもあれば、嫌な上司、復縁を求める元交際相手のような形で主人公が物語の中で「対立する何か」を作りましょう。

「対立する何か」は人物でなくても良いし、主人公が「悪役」として設定することも可能です。重要なのは主人公がその対立や葛藤を通して物語の中で成長させることにあります。

ちなみに主人公を物語が進むにつれて変化が現れることを「キャラクターアーク(Character arc)」と呼び、基本的に三幕構成に沿って主人公の成長を変化させていきます。

6. 台詞は必要に応じて

台詞は登場人物の気持ちや出来事を理解する上で重要な要素になりますが、台詞は必要に応じて作っていきましょう。

脚本を作る際に覚えておくことの一つとして、「語らず行動で示す(Show don’t tell)」の言葉があります。これは物語の伝え方として台詞に頼らず表現で見せなさいということで、映画やテレビドラマなどでは良く使われる手法です。

少しわかりにくいと思うので例を出してみます。登場人物AとBが酒場にいるシーンをイメージしてみてください。

A: 「疲れたな」

B:「あそこに酒場があるぞ、行ってみよう」

A: 「どんな酒があるのかな」

B: 「ウィスキーが置いてあるみたいだね」

これを台詞に頼らず表現してみるとこのような感じになります

道を歩いているAとB、二人は長い旅から疲れているようだ。Aはため息をする。Bは建物の看板にある「酒場」を見て、安心の表情をした。

B「ここ、入ろうか」

A「そうだね」

酒場には数多くのウィスキーが並んでおり、二人は空いてる席へと歩いていく

このように台詞をショットに変換して同じように表現することが出来ます。演劇などであれば前者の例が最適なのですが、映像だとカメラを使って細かい部分まで見せることができるので、「あえて台詞を使わない」表現が出来ます。

物語によっては台詞が多いものもありますが、必要のない台詞が多くなってしまうと棒読みのように感じられたり、物語に誤解を招く恐れがあるので、極力登場人物が行動で示すように作っていきましょう。

7. テーマは必ず物語と関連付ける

「友情」、「家族愛」、「復讐」などのテーマは基本的に観客が見終えた後で認識することが多いです。テーマも物語の中では重要な要素になりますが、必ずしも物語を作り始める前に決めておくことはありません。

脚本を書いていくうちに方向性がなんとなく決まっていくと思うので、その際に「この物語はどのメッセージを一番に伝えたいのか」という形でテーマを確立させれば良いと思います。

しかし、テーマは物語と関連付ける必要はあります。テーマがしっかり決まっていない状態で物語が進められると、内容の薄いものになってしまう可能性があるため、一つのテーマを決めてそれをベースに登場人物の設定やプロットポイントを面白くしていきましょう。

物語を作っていくと「この作品のテーマは何か?」と迷ってしまいがちです。そういう方は一度エンディングまで物語を書いて、読み返しながらどういう部分に焦点を当てるのかを考えてみてください。

頭の中に全体的なイメージがあってもそれを脚本にするのは難しいこと。しかし、脚本がないとプロダクションははじまらないので、ポストイットにシーンを作って後で繋げてみたり、とりあえずざっくりとした物語をエンディングまで書いていって、物足りない所は後で付け足すなどして完成させてみると良いでしょう。

ストーリーが思い浮かばない!」、「三幕構成やプロットについてもっと詳しく知りたい!」という方は下の関連記事からぜひチェックしてみて、満足のいく物語を作ってみてくださいね!

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(MIKIO)

Photos: Art Lasovsky, Frank Busch, Denise Jans , JuniperPhoton,freestocks.org, TETrebbien, Glenn Carstens-Peters, Nikola Jovanovic, Kelly Sikkema , Simon Maage , Reuben Juarez, Aaron Burden

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こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。主に撮影や編集を得意としているほか、ディレクターやプロデューサーなども出来ます。

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