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[Premiere Pro] BGMをプロジェクトの長さに合わせてループさせる方法

コマーシャルや映画などを作成する際、シーンに合わせた音楽であったり利権的な問題で作曲するのですが、予算が限られたものだとそうも行かないので、ロイヤリティーフリーのBGMを利用する方がベストだったりします。

しかし、ロイヤリティーフリーBGMのデメリットの一つがプロジェクトの長さに合った音源を探すのが難しいということ。音楽のテンポや雰囲気はプロジェクトにぴったりなのに、長さが足りなかったり、逆に長過ぎてエンディングに物足りなさを感じたりする場合がありますよね。

Adobe Auditionではそのような問題を解決できるエッセンシャルサウンドの機能の一つである「リミックス」があるのですが、Premiere Pro 2022からそのツールが実装されるようになり、Auditionを間に入れることなく利用できるようになりました。

Premiere Proのエッセンシャルサウンド

Premiere Proのエッセンシャルサウンドは自動ダッキングなど少し前から利用できていたツールなのですが、Auditionの「デュレーション・リミックス」が2022年のアップデートにより新しく追加されました。

デフォルトではそのエッセンシャルサウンドパネルが表示されていないので、機能を利用するには、上部メニューの「ウィンドウ」から「エッセンシャルサウンド」を選択し、パネルを表示させましょう。

BGMにループを適用させる

リミックスを適用させる前に、ループさせたいBGMをシーケンスに追加します。BGMを除く映像編集は完了し、プロジェクトの長さは「03:07:01」となっていますが、追加したBGMのデュレーション(長さ)は「02:37:16」と30秒ほど足りません。

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ループを適用させるBGMを選択し、エッセンシャルサウンドにある項目から「ミュージック」を選択します。

「デュレーション」のチェックボックスをクリックし、オーディオ解析が完了するまでしばらく待ちます。

補間方法」ではBGMの長さを変更した時に、調整(補間)する方法を選ぶことができます。ストレッチ」は指定した時間(長さ)に合わせて音源の速度を変更することで調整するもので、「リミックス」はループできそうな部分を自動で編集してくれるものです。

今回はループさせたいので「リミックス」を選択し、「ターゲットデュレーション」にプロジェクトの長さとなる「03:07:01」を入力すると、それに合わせてBGMが変化します。

BGMのクリップにはギザギザの模様が追加され、これがループを追加した部分となります。プロジェクトの長さに合わせてあるように見えますが、「リミックスのデュレーション」を見てみると「03:03:08」となっており、4秒ほど足りません。

実はリミックスを適用する際「5秒」ほどの誤差が発生するようになっているので、ピッタリ合わせたい場合は「ターゲットデュレーション」をプロジェクトよりも長めの時間を指定すると上手くいきます。

筆者の場合は「ターゲットデュレーション」を「03:10:00」に変更し、リミックス後のデュレーションが「03:09:08」になりました。最後の数秒はフェードアウトになっていたり、無音になっていることが多いので、余分な箇所はトリムして、フェードアウトを適用させると良いでしょう。

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リミックスのカスタマイズ

「デュレーション」の「Customize」の項目を展開すると、リミックスの細かなカスタマイズを行うことができます。

セグメント」ではループを行う箇所の数を調整できます。デフォルト値は「5.0」となっていますが、数値が低いとループが少なくなり、高いとループが多くなります。

バリエーション」はループを行う際のBGMのバリエーションを調整します。デフォルト値は「5.0」で数値が低い「メロディック」にするとループの範囲が長くなり、「倍音」にするとループ範囲が短くなり、同じメロディが流れるようになります。

カスタマイズを行うことで、BGMのリミックスも変化します。音源によって数値を変更してもあまり変わらないことがあるので、ひとまず自動でリミックスされたメロディを聴いて、ループ箇所が多いと感じた場合はこの「Customize」の項目から、都度調整すると良いでしょう。

Premiere Proにリミックスの機能が追加されたことで、AuditionでのBGMの読み込みや書き出しの作業が必要なくなり、より簡単にBGMの編集ができるのは嬉しいところ。様々なプロジェクトに役立つと思うので、ぜひ活用してみてください。

(MIKIO)

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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