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映像作品を監督しよう!ディレクターをする際に覚えておきたい7つのこと

映像制作は映画からテレビ番組、コマーシャル制作やブライダルにいたるまで様々あり、いつか自分の作品や案件を担当してみたい!と考えている方もいるのではないのでしょうか?

業界が違っても制作のプロセスは大体似ており、プリプロダクションからプロダクション、ポストプロダクションを経て一つの映像作品を作り上げていきます。

撮影や編集など各プロセスで関わるプロダクションクルーが存在する中で、最初から最後まで関わる必要のあるディレクター(Director)はプロダクションにおいて重要なクルーの一人です。

監督とも呼ばれるディレクターはその名の通り映像作品の「監督」を行わなくてはなりません。作品の方向性や演出、クライアントの要望をいかに反映するのかなど、クリエイティブな部分を武器にしてプロダクションを遂行していく必要があります。

プロデューサーと同じランクの立場になるので、その責任感からプレッシャーを感じてしまいますが、実際に作品を監督してみたらなかなか楽しいと感じられるかもしれません。

初めて映像ディレクターになる方や自主映画などを制作するにあたって、よりスムーズにディレクションが出来るようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

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今回の記事ではそんな疑問に答えるべく、映像ディレクターをこなす際に覚えておきたい7つのことをご紹介したいと思います!

1. 脚本は可能な限り何度も読む

自分で脚本を執筆したり、プロデューサーや脚本家から支給されたものやクライアントのアイディアを元にプロジェクトをディレクションすることがあると思います。

文章を映像化するというのは非常に難しいプロセスではあるものの、ひとまず「こんな映像を撮りたいな」、「このようなシーンを加えるのはどうだろう?」のように自分の理想像をイメージしておくことをオススメします。

脚本の場合は何度も読んだり、クライアントの打ち合わせを思い出しながら映像の流れを考えてみたりして、ブレインストーミングをするようにしましょう。

ある程度頭の中で形になってきたら、プロデューサーと予算や日程を確認しながらの微調整やクライアントへ企画書や絵コンテを提案できるようになると思います。

2.絵コンテやショットリストをしっかりと決める

脚本や台本を持ってすぐに撮影開始!は出来なくもありませんが、プロダクションで遅延やスムーズにことが進まないトラブルが発生する可能性があるので、プロジェクトに必要なショットなどを含めた絵コンテやショットリストを用意することをオススメします。

こちらの記事でも書いてあるように、通常絵コンテは絵を使って作品の流れを掴むものになりますが、「どのようなショットで何が起きているのか」というのがある程度わかっていればストックフォトを使う事も可能です。

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絵コンテは撮影に関わるクルーやクライアントがプロジェクトの全体像がイメージできるメリットがあるので、プリプロダクションにおけるマストアイテムになるものの、準備期間があまり撮れない場合はショットリストとしてまとめるというのも良いかもしれません。

人によってはショットを決めるのが苦手・・という方もいるかもしれません。その際は撮影を担当する撮影監督またはカメラオペレーターに相談して決めていくと良いでしょう。

3.可能であればリハーサルを行う

映画などシーンが多くなってくる場合、役者の演技をしっかり把握できるようにリハーサルをしておくのがベストです。

最初は脚本の読み合わせからスタートさせ、役者が登場人物の役に感情移入出来るように演技を加えていきます。リハーサルはダンススタジオなど広い屋内で行われることが多いですが、シーンによっては実際のロケーションで行うというのもアリだと思います。

カメラのフレーミングやショットなど技術部分も重要ですが、作品の顔となる役者の演技は中でも重要な要素なので、しっかりとリハーサルして撮影に挑むようにしておきましょう。

4.ある程度の変更は可能、でも方向性は変えない

撮影中に脚本にない演技やセリフを加えたり、絵コンテにあるものとは別にショットを撮りたいと考えるかもしれません。これらはロケーションまたは状況で初めて生まれるアイディアだったりするので、撮影中の変更は良くあることです。

しかし、注意しなくてはいけないのが「変更は小規模にして、全体の方向性は変えない」ということ。「カップルが穏やかに談笑している」ラブロマンスのシーンがある場合、元々の脚本に無かった「UFO到来シーン」を撮影中に追加することは出来ません。

大きな変更はクルーや役者が混乱してしまう可能性があるので、変更はショットの追加や削除、アドリブの追加など小さいものにしましょう。大掛かりな変更はプリプロダクションで行うべきです。

5.寛容な心持って、他のクルーにも配慮する

「思うように撮影できない」、「時間がない」、「天気が悪い」などイライラしてしまう部分も出てくるかもしれませんが、無理にプロダクションを遂行しようとすると撮影素材が残念になったり、何かを見落としてしまう可能性も出てきます。

また、ディレクター自身がクルーに当たってしまったり、イライラなオーラを発すると周りも嫌な気分になってしまうので、寛容な心を持つことをオススメします。

ディレクターと言えばしかめっ面や口調の悪い人をイメージしてしまいますが、それを目指す必要はありません。作品を一緒に作ってくれる撮影クルーや役者に気を配りながらディレクションしていけば、「次も一緒に仕事したい」と思ってくれるかもしれません。

6.完璧は求めなくても良い

良いものを作るために完璧を求めてしまうところですが、状況によってはそれが叶わない場合もあります。作品に関わるのはやはり人なので、何かしらミスや失敗があっても当たり前なのです。

そのため、ひとまず作ってみたい事をやってみて、何か気になることがあれば臨機応変に調整していくと良いでしょう。失敗は恐れず、ミスを何度もして対処して経験を伸ばしていけば、今後映像ディレクターとしての自信を持てるようになると思います。

7.自分の作品を好きになろう

ディレクターになる上で最も重要な事と言えば「自分の作った作品を好きになること」です。単純ではあるものの、プリプロダクションからポストプロダクションまでプロジェクトを好きになれないと、ディレクションのモチベーションが生まれません。

映画、コマーシャルやミュージックビデオなどであれ、自分が作った作品を好きになって誇りを持つのが良いです。

作品への批評やクライアントによる理不尽な要求などで気が滅入るかもしれませんが、観る人が皆好きになる訳がないので、自分の主張を貫き通すのも良し、他人の意見を取り入れて次の作品を作るというのも良いかもしれません。

人によってディレクター向き不向きあるディレクターですが、なろうと思えば誰にでもなれると思います。これから自主映画や何か自分で作品を作るという方は、今回ご紹介した7つのことを思い出して、撮影に挑んでみてくださいね!

(MIKIO)

Additional Photos: Jonathan Hoxmark, Avel Chuklanov, KAL VISUALS(2), Jakob Owens, Kilyan Sockalingum,

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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