Film 101

映像プロダクション(制作)のプロセスを見てみよう

映像制作というと、一見難しそうなイメージがありますよね。

確かにクリエイティブな事や技術的な知識も必要ですが、プロダクションそのものはシンプルなプロセスで、知識がない方でも映像は作れるものなのです。 例えばケーキを作りたいと思った場合、どのようなケーキを作って、どの食材を使って、誰に食べさせるのか?を考えると思います。

映画やコマーシャルの制作も同じで、開発、企画、制作、編集、配給というプロセスがあります。では、それらのプロセスがどのような感じなのか、映像プロダクションのプロセスについて説明したいと思います!

映像制作というと、映画、コマーシャル、ブライダル、イベントなど非常に幅広く、色んな種類があります。

初めて自主映画や映像を作ってみたいという方はどこから始めれば良いのか解らない方も居るかと思います。クリエイティブや技術的な部分も入ってくるのでとても難しく感じてしまいますが、それらを知る前に映像制作のフローまたはプロセスを知っておく必要があります。

筆者は基本的に海外での制作が多いので、日本とは少し事情が変わってくるかもしれませんが、英語も交えて紹介します。

映像制作は開発(Development)プリプロダクション(Pre-Productions)、プロダクション(Productions)、ポストプロダクション(Post-Productions)、配給(Distributions)と大きく別けられており、自分の今いる各プロセスやクルーのポジションによって仕事の内容が色々変わってくるのです。

開発(Development)

開発では「自分の頭のなかにあるストーリーをどうしたら一つの脚本にする事が出来るのか?」を考えていくプロセスです。もし自分が脚本家または監督であるならば、考えているストーリーを脚本にしていく作業から始めていきます。

脚本が完成すると、今度はそれを制作会社に売り込むピッチ(Pitch)を行い、エグゼクティブ・プロデューサー(EP)やスポンサーを集めていくのです。

ピッチに関しては脚本家、監督またはプロデューサーが行う場合がほとんどですが、有名な人ではない限り、すんなり製作会社がゴーサインを出す事は難しく、EPや制作会社が満足するまで脚本を編集していきます。

プリプロダクション(Pre-Productions)

プリ(Pre)」とは「前の」という意味なので、「制作前の準備」という事になります。

こちらのプロセスでは監督や撮影監督(DP/DoP=Director of Photography)が脚本を元に具体化していく作業を行います。絵コンテやショットリストなどを作っていって脚本と監督が持つイメージをリンクしていくようにクリエイティブ部分に集中しますが、プロデューサーは監督が持つロケーション、キャスト、エフェクトなどに対応できるように多くの準備をしていく必要があります。

プロデューサーは制作会社、クルーの確定&契約を行い、ロケハン(海外ではロケーションスカウティング)、予算の作成、スケジュールなどのドキュメントを作成したり、キャストに関してはオーディションなどを行いキャストを確定していきます。

プリプロダクション無しでは作品は作れないので、非常に重要なプロセスです。

プロダクション(Productions)

映像制作といえばこちらを指すことが多いと思います。ご存知の通り、プロダクションは「撮影作業」が行われます。

プリプロで確定したキャスト&クルーがプロデューサーが決めた期間内で撮影が行われ、アシスタントディレクター(AD)は期間内それぞれの撮影日のスケジュールを作ります。撮影期間についてはプロダクションによりますが、一日で終わるものもあれば、1ヶ月以上必要なものもあります。

制作には多くのクルーが参加し、監督、プロデューサー、撮影監督のほか、美術(Production Design)、音響(Production Sound)、カメラオペレーターなどの撮影部(Camera Department)、照明などのガッファー(Gaffer)やグリップ(Grips)などが撮影に関わります。

ポストプロダクション(Post-Productions)

ポスト(Post)というのは「後の」という意味なので、編集作業を指します。

ポスプロでは撮影した映像を編集していくだけではなく、サウンドデザインやVFX(視覚効果)、カラーコレクション(色補正)なども加わり、さらに脚本や監督のイメージに近づいてくように作業を進めて行きます。場合によっては編集時でシーンがカットされたり、ストーリーの構成が変更、または追加で撮影を行う必要がある場合も出てきます。

撮影や編集で「カット(Cut)」が使われるのは「フィルムを切る(Cut the Film)」から来ているのですが、フィルムをあまり使わないデジタルの時代になっても用語として今でも使われています。

 

配給(Distributions)

作った映画を友人のみの上映会にするのも良いですが、収入やより多くの人達に見てもらいたいと思う方は配給のプロセスが必要になってきます。配給とは「作った映画を映画館に売る営業業務」のことで、ほとんどの場合配給会社が製作会社と配給契約を結ぶ事で配給が実現されます。

映画館から儲けた興行収入は製作会社との契約にもよりますが、ほとんどの場合は配給会社が50%受け取ることが多いです。マーケタブル(市場向け)の作品だと大々的にプロモーションがかけられますが、インディペンデント映画などになると自主的に売り込んだり、映画祭に出品し、注目を集めることで世界配給が実現される場合もあります。

インディペンデント系映画を配給している20世紀フォックスの子会社のFox Searchlight、ソニー・ピクチャーズの子会社、Sony Picture Classicなどに売り込むというのも一つの手かもしれませんね!

 

通常、プロダクションのプロセスはプリプロ、プロダクション、ポスプロの三段階を指すことが多いのですが、開発と配給も今回合わせて紹介してみました。映画やコマーシャルなど、作るものが違っていたり予算や規模の大きさが違っていたとしても、これらのプロセスはどのプロダクションにも同じで、それぞれ重要な役目を持っているのです。

今回はそれぞれの概要を紹介したので、まだ足りない情報も多いとは思いますが、これから各プロセスについて詳しく書いていく予定なのでチェックしておいてくださいね!

 

(MIKIO)

タグ

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。主に撮影や編集を得意としているほか、ディレクターやプロデューサーなども出来ます。

関連記事

Close
Close