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撮影前に必要な絵コンテ(Storyboard)ってどんなもの?その歴史や種類を見てみよう!

コマーシャルや映画、ミュージックビデオなどを実際に撮影する前は、脚本やスケジュールの他にプロダクションをスムーズに進めるため、絵コンテを用意する場合がほとんどです。

絵コンテ、字コンテ、ビデオコンテなど色々ありますが、絵コンテには一体どんな違いがあるのか、そしてその歴史について今回は紹介したいと思います。

Storyboard(ストーリーボード)とも呼ばれている絵コンテは、映画などの実写撮影やアニメーションの制作に取り掛かる前にどのシーンでは被写体やカメラがどう動くのかなどを把握するための、プリプロダクションツールの一つ。

絵コンテ無しで撮影に挑む事ももちろん可能ですが、絵コンテがある事によって撮影監督を含むクルーやタレントは照明の位置や動く方向などを大体イメージが出来るようになります。

これによって監督は指示をより明確な指示を出すことができ、プロダクションを円滑に進める事が可能です。

また、絵コンテはシーンごとに必要な機材なども把握できるというメリットもある事からプロダクションのみならず、プリプロダクションにも大いに役に立ちます。

絵コンテの歴史

絵コンテのルーツは月世界旅行などを手がけてきたジョルジュ・メリエス(Georges Méliès)が1900年代に映画で使用する視覚効果(スペシャルエフェクト=SFX)をイメージするため、絵にしていた所から始まります。

しかし、プロダクションにおいて絵コンテの普及を行ったとされているのは、1930年代のウォルト・ディズニー・スタジオです。1933年に作られた三匹の子ぶた(Three Little Pigs)物語の冒頭からエンディングまで描かれた、最初の絵コンテだと言われています。

現在は映画やコマーシャルやプロダクション会社によって、絵コンテのテンプレートが少しずつ変化してきますが、実際の制作・撮影前に作品全体を絵で表現するツールというのは共通しています。

多くの場合、絵コンテは監督が用意するのですが、コマーシャルでクライアント側に細かく伝える必要があったり、複雑な演出がある場合はディーテールのある絵コンテを用意する事もあります。

ストーリーボードアーティスト(Storyboard Artist)はそんなディーテールな絵コンテを制作する専門クルーです。プリプロダクションで監督のイメージを表現する大事な役割を持っているので、ギャラが高くつく場合もあります。

絵コンテの種類

英語では「作品を絵などでイメージしたもの」ツールをStoryboard(ストーリーボード)としていますが、日本ではイメージボード、画コンテ、絵コンテ、字コンテ、ビデオコンテなど様々な名称があり、少しややこしいと感じるかもしれません。

ちなみにどの絵コンテでも略して「コンテ」と呼ぶ事も出来ます。

絵コンテ、画コンテ、イメージボード

先程紹介した海外で使用されるストーリーボードと同じものです。主に手書きの絵が使われているほか、ストックフォトなどを使用した写真が使用される場合があり、カメラや被写体の動きを矢印などを使ってわかりやすく表現します。

英語圏ではストーリーボードの他に、Shooting Board(シューティングボード)とも呼ぶ事があります。

字コンテ

絵を使わずに文章でカメラや被写体などの動きを表現します。撮影でどのショットを撮るかというショットリストに近いものですが、より詳しく書いてあったりします。

プリプロダクションであまり時間がない時や、絵が得意ではない方には便利ですが、内容によっては撮影クルーに伝わりづらい事も。またプロダクションによっては字コンテを脚本代わりに使用する場合もあります。

ビデオコンテ

主に3DCGIや2Dアニメーションを制作する場合に絵コンテを簡易的なアニメーションに変換するものです。絵コンテなどに比べると作る時間がかなり掛かりますが、映像であることによって最終的な映像のイメージが湧きます。

3DCGIなどでは似たようなものとして、プリビジュアリゼーションがあります。

絵コンテに必要な情報

絵コンテでは映像の他にシーン番号やオーディオ部分、これに加えてカット番号や備考欄などを含める事もあります。

映像の項目ではそのシーン、カットで撮影したいフレームを絵または写真などで表現し、オーディオ欄ではセリフや効果音、ナレーションなどを追加。そして、備考欄ではこのカットで使用する機材やタレントの演技の詳細などを含めていきます。

絵コンテのフォーマット

基本的にスタンダード化されている絵コンテのフォーマットは無く、制作会社やTVCM、映画などの制作ジャンルによって多少変わってきます。

例えば映画などの絵コンテを見てみると、左からシーン、映像、オーディオ、備考欄と3-4カラムになっています。

TVCMで使われる絵コンテを見てみると、紙芝居のように大きめの長方形が左から右に2-3列、シンプルなデザインですが、内容は映画のものと大体同じです。

この他にも色々なデザインがありますが、好みもあると思うので自分にベストなデザインを利用するのが良いでしょう!

絵コンテで重要なのは「撮りたいものが相手にも伝わる」なので、文字であれ、写真であれ、シーンやカット番号、フレームと音声などが揃っていれば問題ないと思います。

絵コンテは脚本同様に時間の掛かるプロセスです。しかし作品をイメージに近づけるためには欠かせないツールなので、プロダクション前に用意しておくと良いですよ!

 

(MIKIO)

Additional Photos: Kami Sama Explorer Museum,gever tulley

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こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。主に撮影や編集を得意としているほか、ディレクターやプロデューサーなども出来ます。

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