プリプロダクション

ショットリストを使って撮影で必要なショットをまとめておこう!

短編映画や紹介動画などの映像作品を作る際、どのようにショットを決めていますか?

プリプロダクションで作成する絵コンテはクライアントや撮影クルーに口で説明しなくても大まかなショットやアングル、カメラなどの動きを把握できるのでとても便利ですが、場合によっては絵コンテを作成する時間が無かったり、絵が苦手な方もいるのではないでしょうか?

絵を使わずに写真を用いた絵コンテを作成することももちろん可能ではあるものの、ショット多めの案件や予算上の関係で絵コンテを必要としない案件、尺の短いプロジェクトの場合はよりシンプルなショットリスト(Shot list)を活用するのがベストかもしれません。

ショットリストとは?

映画制作におけるショットリストは本来、絵コンテを作成した後にシーンに必要なショットの種類、屋外や屋内のロケーション、登場人物やショットの概要をまとめたドキュメントのことを指します。

当日の撮影が円滑に行われるようにプリプロダクションの段階で用意され、撮影監督や助監督がこのショットリストをベースに撮影を進めたり、スケジュールの管理を行います。

ショットリストのテンプレート

ハリウッドなど英語圏で使われるショットリストのテンプレートを見ていくとシーン番号、ショット番号、ロケーション、ショットの種類、カメラアングル、カメラの動き、オーディオの有無、被写体、ショットの概要など細かい項目が用意されています。

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上のテンプレートはあくまでよく使われるものですが、撮影の規模や制作会社によって順番や記載する項目が異なる場合があります。

こちらは英語のショットリストを日本語化した例です。筆者なりにもう少しシンプルにわかりやすく修正していますが、基本的にシーン番号、ショットの種類と被写体、備考欄の情報が揃っていれば十分だと思います

ショットリストは少人数または個人で使う場合はより簡素にする事も可能

大規模な撮影クルーを必要としない小規模またはワンマンバンドスタイルで撮影する場合は、シーンとショットの種類だけをまとめたシンプルなショットリストにすることも可能です。

クライアントなど他人と共有する必要がある場合はわかりにくいため、あまりオススメしませんが、個人で使うのであれば意外とこれで十分だったりするものです

下の例では実際の居酒屋の紹介動画の案件で使用したもの。食材をベースに各ショットをまとめており、必要最低限の情報が記載されています

先ほどの例では撮影時にショットやアングルを決める方式を取っていたので、ショットの種類などは細かく記載されていませんでしたが、別の案件で使用したショットリストにはショットをより細かく決めていました。

これらのショットリストはクライアントと共有する必要が無かったプロジェクトなので、iPhoneのメモ帳を使って作成しています。プロジェクトに合わせてテンプレートを変えたり、フォーマットを必要に応じて変えておくと良いでしょう。

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ショットリストを作成するタイミング

本来は絵コンテを作成した後に文章としてまとめるのがショットリストになるのですが、絵コンテを使わない場合は脚本に撮りたいショットを書き込む方法を取ると良いでしょう

筆者がよく使う方法としては脚本の文字に横線または下線を追加し、ワイドショットであれば「WS」、エクストリームクローズアップであれば「ECU」のようにショットのイニシャルを書いていきます。

ショットの種類については「映像撮影で必要なショットを理解しよう!ショットの種類と海外の呼び方」に詳しく書いているので、そちらの記事も参考にしてみてください。プロジェクトのショットが全て決まったら、シーンごとにショットリストを作っていけば問題ありません。

スケジュールに合わせてショットリストを作成するのもあり

上の方法ではシーンごとにショットリストを作成すると書きましたが、ロケーションまたはスケジュールによってその日に撮影するシーンが混じる事があります。その場合はスケジュールをベースにショットリストを作成する方が香盤表との相性もいいのでオススメです。

このショットリストは絶対に必要となるものではありませんが、撮影時にそのシーンで必要なショットを把握したり、撮影完了したショットなどがすぐに確認できるなどが行えるので、プロダクションで大いに役立つと思います。

筆者が使用しているショットリストのテンプレートは下記リンクからダウンロードすることができます。今回の記事のテンプレートを参考にしたり、自分の最適なフォーマットを見つけて、ショットリストをぜひ作成してみてください。

素材のダウンロード

このチュートリアルで使用した素材やプロジェクトファイルは全て上記ボタンからダウンロード可能です。個人プロジェクトはもちろんのこと、商用利用も無料なのでカスタマイズしてプロジェクトに追加してみてください。(コンテンツの使用について詳しく見る)

(MIKIO)

Additional Photos: Aditya Wardhan, Kelly Sikkema

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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