映像ハック脚本

プロット(Plot)ってなんだ?ストーリーとプロットの違いとその関係性を見てみよう

映画やドラマ、または小説や漫画の物語を作る際はアイディアはもちろん重要ですが、そのアイディアの中でどのようにすれば面白い物語を作ることが出来るのか?というのも考えておくポイントの一つです。

これらの物語を作っていく際はストーリー(Story)プロット(Plot)という言葉が出てくると思うのですが、この2つは同じようで違う性質を持っている上、物語を作る上で大切な関係性があります。Wikipedieaや他のサイトでもこの2つについて解説しているところは多いですが、筆者なりの解釈で分かりやすく説明したいと思います。

キュリオシーンではこれまで、脚本を書く前に行うストーリー開発や物語を面白くする三幕構成について説明しましたが、これから紹介する内容もこのストーリー開発や三幕構成に関わるものでもあるので、時間があれば合わせて読んでおくこともオススメします。

関連記事: ショートフィルムや長編の脚本を書こう!ストーリー開発とその基本とは?
関連記事: 物語をさらに面白いものにしてみよう!ストーリーを引き立たせる三幕構成(Three Act Sturcture)の基本

さて、まずストーリー(Story)について話しましょう。ストーリーとは対象となる物語の世界で起きている出来事を時間系列に沿って並べるもので、物語の最初から最後まで記しています。簡単な例を見てみましょう。

彼女が一切いたことが無かったユウジはチサトと恋仲になった

ストーリーで重要なのは時系列に表示するだけではなく、「何が起きたか」を見せる必要があること。上記の例だと「彼女がいない主人公は恋人ができる」という出来事を見ることが出来ますよね。ざっくりとしたあらすじをストーリーとして考えれば良いです。

プロット(Plot)とはストーリーの中で起こる出来事のことで、ストーリーを構成する要素の一つになります。上記の例を使ってプロットを含めるとこのような感じ。

彼女が一切いたことが無かったユウジはチサトの命を救ったことにより恋仲になった。

一見さっきと同じ文章になっているようですが、今度は「恋人になったキッカケ」が含まれています。プロットはストーリーの「何が起きたか」の要素に加えて「どのように起きたか」が必要になってきます。

基本的にプロットは物語全体に使うものではなく、物語の中に含める小さなストーリーのイメージで使用します。物語を面白くするにあたって、三幕構成が重要になってくると以前紹介した記事で説明しましたが、三幕構成内の設定(Settings)、対立(Confliction)、解決(Resolution)それぞれのプロットになると考えて良いでしょう。

少しややこしくなりますが、それぞれの幕にはキッカケと結果が必ず出てきます。前回の記事で使用したストーリーを例にしてみましょう。

(1)ユウジは騙されて作ってしまった借金を少しでも返そうとカジノに通っていた所、借金を作らせた張本人のカトウが現れ、その場で一戦を交えた結果負けてしまう。

(2前)その様子見ていたチサトは落ち込んでいるユウジに声をかけて仲良くなり意気投合する。カトウとまた一戦を交えることになって自信満々で望んでいたが、カトウからチサトは仲間の一員だと暴露し、ユウジを弄んでいた事を知る。

(2後)何もかも失ってしまったユウジはとあるキッカケでずっと負け続けていたギャンブルに勝つ方法を見つける。

(3)カトウのイカサマをユウジが見つけ、一発逆転になって復讐を果たす。チサトはカトウによって脅されていたと話し、二人は和解し仲良くなった。

第一幕のプロットは「ユウジとカトウの対決後、負ける」、第二幕の前半ユウジとチサトは意気投合するが、裏切られる」、第二幕後半全て失ったが、勝つ方法を見つける」、第三幕は「カトウに勝ち、チサトと和解する」といったように「キッカケ」と「結果」の2つが必ずあるというのが分かると思います。

プロットの利点の一つが時系列を無視しながら作ることが出来るということ。ストーリーは物語の全体になるので序盤からエンディングまで記す必要があるのですが、プロットはさっき説明したようにストーリーの中にある小さなストーリーであるため、その出来事を好きな場所に配置できる利点があります。

先程のあらすじを例で言うと、「カトウによって騙されたユウジの借金」というプロットを作ったとします。ストーリーの中で「ユウジは一文無し」という設定を作るために序盤に入れることが出来たり、「カトウの極悪な性格」を出すために中盤に入れるなど、パズルのように好きな所に配置することでストーリーの印象を変えることが出来るのです。

物語を書く際にプロットを先に考えるべきか、三幕構成を考えるべきかどっちが良いのか迷うと思いますが、筆者的には先に三幕構成を考えながらストーリー全体を作っています。なぜなら三幕構成はストーリーの全体を事前にビジュアル化することが出来るからです。

それに加えてプロットは一つの幕で一つのプロットというルールはなく、それぞれの登場人物にプロットを付け足したり、プロットを更に増やして面白くすることが出来るため、全体的なイメージを持ってから細かい設定を作っていく方法がベストかもしれません。

しかし、プロットから考えてそれを時系列に配置して一つのストーリーを作っていくというのも一つの方法です。自分にあったやり方でストーリーを作っていくと良いでしょう。

日本の制作で使用するプロット

日本の映画産業などでもプロットという言葉があるのですが、少し意味合いが変わってくる場合があります。日本でいうプロットは一般的に「物語のあらすじ」を意味することが多く、映画の場合だとプロデューサーなどに渡すための脚本を1ページ程度にまとめた物を指すことがあります。

プロットではストーリーの序盤からエンディング、三幕構成のそれぞれの幕での出来事が書かれていることがほとんどです。しかしアメリカなどの英語圏の映画産業ではプロットとは言わずトリートメント(Treatment)と呼ばれるので注意が必要です。

 

物語を作るにあたってプロットは重要になってくるので、これらを頭に入れておきながらストーリーを作っていくとより深みが出てくると思います。次回は三幕構成内のプロットポイント(Plot point)を紹介していきたいと思うので、ぜひチェックしてみてくださいね!

 

(MIKIO)

Photos: rawpixel.com,Art Lasovsky

タグ

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生の頃に映画製作に興味を持ち始め、中学生の時に部活のメンバーと自主映画を初めて制作。その後フィリピンに留学し、映画専門学校を卒業後、撮影や編集などのフリーランサーを経て、マルチメディア制作会社DreamLine Productionsを立ち上げる。 自分も持っている知識のほか、勉強やメモ代わりに制作などのチュートリアルを投稿していきます。

関連記事

Close
Close