Osmo Pocketが持つ3つの撮影モードとその違いを見てみよう!
DJIといえばドローンのほか、プロが使用するRonin-MやRonin-Sなどといったジンバルスタビライザーも 得意としており、コンシューマ向けにOsmoシリーズを販売するようになりました。
初代Osmoやズーム機能を備えたOsmo+、そしてスマートフォンを使用するOsmo Mobileなどを提供してきましたが、さらにコンパクトなOsmo Pocketが2018年の12月に登場し、人気カメラの一つになりました。
DJI Osmo Pocketはその名の通りポケットに収まるほどのジンバルカメラで、毎日持ち歩いても気にならないサイズになってることから、Vlogなどの日常の様子や旅行動画のカメラとしてもオススメだったりします。
プロが使用する機能の多くは省かれてしまっているものの、DJI Mimoアプリや設定、撮影方法などを上手く活用していくことで、よりクオリティの高い映像を撮影することが出来ます。
「Osmo Pocketで撮影を行おう!機器のアクティベーションとオススメ設定」の記事では、撮影する際にベストな設定を紹介しましたが、実はこれ以外にも覚えておきたい設定の一つ、「ジンバルモード(Gimbal Modes)」があります。
ジンバルモードとは?
ジンバルは3つのXYZ軸がそれぞれ回転することでブレを軽減させています。この3つの軸は回転する方向が違うことから、それぞれロール (Roll)、ピッチ(Pitch)、Yaw(ヨー)と名付けられています。
飛行機を操縦する際に使われるものなのですが、飛行中に機体が左右に傾く動きがロール、上昇下降がピッチ、そして左右に進行方向を変える時がヨーになります。
ジンバルでも同じ機能が使われており、Osmo Pocketの場合はカメラが首をかしげるような動きがロール、カメラ本体が頷くような上下の動きがピッチ、そして首を横に振るような左右の動きがヨーとなります。
ジンバルモードはそんな3つの軸をどう制御するかという設定になります。これらのモードはカメラの動きによって合う合わないがあるので、事前にどのモードで撮影するのがベストなのかを考える必要があります。
Osmo Pocketの撮影画面を開いて下からスワイプすると右下にジンバルのアイコンがあるので、それをタップすることでジンバルモードの切り替えを行うことが出来ます。
フォローモード(Follow Mode)
フォローモードはOsmo Pocketで一番使用する頻度の多いモードです。
ロール、ピッチ、ヨーがカメラの動きに合わせてゆっくり調整(フォロー)してくれます。基本的にどの動きにも対応してくれるので便利ですが、歩行中などに撮影すると縦揺れが目立ちます。
こちらはフォローモードで撮影してみた例です。
360度や歩行シーンでは問題なく撮れていますが、少々縦揺れが気になるかもしれません。膝を曲げるジンバル歩きを行うと軽減できます。
固定モード(Tilt Lock)
チルトロックとも言われるこのモードはピッチが固定されることでカメラが常に正面を向きます。
フォローモードと違って左右にカメラを動かすことはできませんが、カメラの位置が正面に固定されていることによって、縦ブレが軽減されるメリットがあります。
また、ハンドル部分の角度を変えてもカメラは常に正面を向いているので、懐中電灯のように手を伸ばしながら撮影することができ、狭い隙間など撮影しづらい場所でも可能になります。
こちらの動画は固定モードで撮影されたもの。
フォローモードに比べると歩行や360度のブレが少なくなっています。
FPVモード
ローラーコースターなどのアトラクションを撮影する時にオススメなのが、このFPVモード。
一部の軸が固定されているフォローモードや固定モードと違い、どのアングルからでも撮影可能な一人称視点(First Person View)になるので、アクションカメラのような使い方をしたい場合はこちらがベストです。
激しい動きのブレには強いこのモードですが、その反面普通に撮影している時になるとかなり手ブレが出てしまうので、注意が必要です。
こちらはFPVモードで撮影したもの。
アトラクションなどではない普通の動画になっているので、フォローモードや固定モードに比べてかなりブレが激しいのがわかると思います。
スローモーションを活用して、ブレを軽減させよう
ジンバルは縦揺れが目立ってしまう場合があり、対処法としてジンバル歩きをするか、4軸目のアクセサリーが別途あると軽減することができます。
しかし、ジンバル歩きだとある程度の練習が必要になるほか、4軸目のアクセサリーについてもDJIの正規アクセサリーではなくサードパーティ製で入手が少々大変だったりします。それでも縦揺れをどうにか解消したい!という方はスローモーションを使用するのも一つの手です。
こちらは60fpsで撮影されたものを23.976fpsに変換して編集した例です。
ジンバルモードは基本的にフォローと固定モードを使用していますが、一番最後のバレルロールのみFPVモードで撮影されています。
Osmo Pocketにはスローモーションの機能がありますが、そちらを使用すると画角が狭くなってしまうので、スーパースローモーションを想定していないのであれば、60fpsで十分になると思います。
3つあるジンバルモードでは基本的に「フォロー」で問題ありませんが、歩行など前後や360度回転などは「固定」、アトラクションなどの場合は「FPV」の使い分けをすると良いでしょう。
使い始めは混乱するかもしれませんが、モードを色々切り替えて練習をしてみて、ショットにマッチするモードを見つけて撮影に挑むと良いですよ!
(MIKIO)
Additional Photos: Wikipedia