ポストプロダクション・編集映像ハック

映像を取り扱う際に覚えておきたいビデオコーデック(Video Codecs)ってなんだろう?

iPhoneといったスマートフォンや一眼レフカメラでの映像撮影が一般的になってきた今、これまでプロのイメージが強かった映像制作がより身近な物になりました。

映像をより良いものにしたいのであれば、クリエイティブの部分に加えて技術部分も撮影や編集の段階でしっかりと確認する必要があります。

今回ご紹介するのは技術的な部分。プロダクションやポストプロダクションに必要な技術は様々ありますが、どのプロセスにいても覚えておきたいビデオコーデック(Video Codecs)の存在はご存知だったでしょうか?

プロダクションのワークフローや画質、互換性を左右するビデオコーデックは映像制作には欠かせない要素の一つです。こちらの記事ではそんなビデオコーデックの概要や覚えておきたいことなどを紹介していきます!

コーデックとは?

コーデック(Codec)をざっくりと説明すると「圧縮形式」のこと。

アナログからデジタルに変換する符号・復号化(enCODE、DECode)と圧縮・展開(COmpress、DECompress)の2つの意味を持ちますが、デジタルの映像や音声に関しては一般的に「圧縮形式」を指すことが多いです。

オーディオコーデック、ビデオコーデックとメディアによって様々なコーデックが用意されており、撮影や収録で使われるものや編集などで使われるものなど、用途に合わせて使い分けていきます。

オーディオコーデックを例に出してみるとMP3やWAV、AIFF、ビデオコーデックだとMPEG-2、H.264やApple ProRes 422などがあります。

Advertisements

拡張子=コーデック?

カメラで映像を撮影した後にパソコンなどで読み込みと「.mp4」や「.mov」、「.avi」などの拡張子を見る機会があると思います。

MP3のオーディオコーデックで作成された音声ファイルの拡張子は「.mp3」となっているので、「.mov = MOVコーデック?」と思ってしまうところですが、全ての拡張子イコールコーデックという訳ではないので注意しましょう。

動画ファイルを例にしてみましょう。ファイルの拡張子は「.mov」ですが、ファイルの中を覗いてみると実はオーディオコーデックとビデオコーデックがそれぞれ用意されてあって、それを一つにまとめる形式(コンテナフォーマット)として「.mov」の拡張子が使われています。

基本的に同じコーデックで作業する

コーデックの種類はとにかく多いので全ては解説できませんが、ビデオやオーディオコーデックは大きく分けてカメラ、編集と書き出しのタイミングで作成または変更などが行なえます。

iPhoneやミラーレス機で撮影した場合、使われているビデオコーデックはH.264です。Premiere Proに読み込む際は画質を維持するため、撮影時のH.264コーデックとビットレートなどに合わせた設定で編集していきます。

書き出しの時も画質を維持して同じ設定で書き出すのが理想ですが、YouTubeやテレビ向け、映画向けなど配信フォーマットによっては指定されたコーデックなどがあるため、それに合わせて変更することもあります。

品質を下げることはあっても、上げることはあまり無い

iPhoneやミラーレス機などで使用されるH.264コーデックは画質を維持しながらファイルサイズを小さく出来るので便利ではあるものの、色補正やVFXを沢山追加すると画質が劣化してしまうため注意が必要です。

このような問題を対処するにはAtomos NINJAのような外部レコーダーを使って、H.264より高画質なApple ProRes 422 HQといったコーデックで撮影し編集するのが一般的です。

Apple ProResは高品質なコーデックなので、劣化を気にせずにH.264などのコーデックに書き出すことが可能です。しかし、その逆のH.264で撮影してApple ProResを使って品質を上げることはできません。

コーデックを変換するという意味では可能ですが、低品質の元素材を高品質にすることはあまり良くないので、「品質は下げることはあっても、基本的に上げることはない」ということを覚えておきましょう。

Advertisements

ビットレート

映像の品質を左右する要素の一つとしてビットレート(Bitrate)というものもあります。「1秒間にどのくらいの情報を含めるか」というもので、Mbpsという単位が使われています。

ビットレートを詳しく説明すると長くなってしまうため、ざっくりと解説すると「ビットレート(Mbps)が高ければ高品質」ということになります。しかし、コーデックと同じように、25Mbpsの元素材を100Mbpsにしても品質が上がるわけではないので注意しましょう。

SONYのミラーレス機、A6500でHD撮影した場合のコーデックがH.264ベースのXAVCでコーデックが50Mbps。外部レコーダー使ってApple Pro Res 422で撮影すれば147Mbps程度になるので、こちらの組み合わせのほうが高品質になります。

Advertisements

コーデックの注意点

コーデックは使用するカメラや編集アプリ、プラットフォームによって様々あり、作業環境によっては再生や読み込みが出来ない場合もあります。

H.264やMPEG-2などのメジャーなコーデックであれば問題ないかもしれませんが、RAWなどの非圧縮だとパソコンにかなりの負荷がかかったり、編集アプリが対応していない可能性もあるので、互換性なども考慮すると良いでしょう。

今回の記事ではコーデックの基本的な概要を紹介してきました。この他にもVBRやCVR、プラットフォーム別に使用されるコーデックなどもありますが、これらについてはまた別の機会で詳しく紹介したいと思います。

映像制作にコーデックは欠かせないものなので、撮影や編集などに色々いじってみると良いですよ!

(MIKIO)

Additional Photos: Peter Larsen, Aleks Marinkovic, Wahid Khene,

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。主に撮影や編集を得意としているほか、ディレクターやプロデューサーなども出来ます。

関連記事

Back to top button