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映像や映画監督は誰にでもなれる!監督の役割とプロデューサーの違いとは?

長編映画や短編映画、ドキュメンタリーやコマーシャルなどを指示する監督(ディレクター)一つの作品を完成させるためには必要不可欠な撮影クルーの一つです。

他の撮影クルーに比べるとオーラや権威を持っており、映像制作をこれから始める方からしたらどうしても大ヒット映画などの監督と比べてしまうため、「自分には到底ムリな夢だな・・」と思ってしまいがちですが、実は誰にでも映像ディレクターや映画監督になれるものです。

映像プロジェクトのクリエイティブな部分を管理、そして作っていくのが監督という役職です。英語ではDirector(ディレクター)と言い、「Direct(指導)」と「-or(する人)」を意味しています。

海外では映画やコマーシャルなどといった違う映像業界でも「ディレクター」という名称が使われていますが、日本では映画だと「監督」、コマーシャルやブライダルといった業界だと「ディレクター」という名前が使われていたりするので、バラバラだったりしますが、基本的に映像制作に指示を出す撮影クルーという意味では全く同じになります。

一般的に映画監督というとスティーブン・スピルバーグやマイケル・ベイなどの大物を連想してしまうので、数多いキャリアを持っている彼らと比べてしまうと程遠い夢だと感じてしまいますが、そんな大物監督でも、実は何の取り柄の無い所からスタートしているので、誰にでも監督になる事はできます。

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また、最終的に監督になった人たちも様々なバックグラウンドを持っており、趣味レベルでスタートした人や、映像専門学校を卒業してなった人もいれば、カメラオペレーター、俳優、編集をずっとやってきて監督になる人もいるのです。

監督になるキッカケは色々あると思いますが、「自分の映画を作りたい!」、「あの監督のようになりたい!」、「あの作品のように作ってみたい!」と考えているのであれば後は作品作りに移すだけ。これで一つの作品の監督になることが出来ます。

プロデューサーと監督の関係

作品作りに移すだけ・・と簡単に言っていますが、一つの作品を作り上げるには基本的にカメラや照明、音声、タレントなどの人材が必要になってきます。

人が増える分、予算も大きくなるので、監督はスケジュールやお金の管理といったロジカルな部分まで考えなくてはいけないのか・・と思ってしまいますが、プロダクションでは監督と同じくらい必要不可欠なプロデューサーが存在します。

映画等の制作になると、映画=監督の権限というイメージを持っていますが、実はプロダクションで一番トップに立っているのは制作統括を行うプロデューサーがほとんどだったりします。

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プロデューサーはプロジェクトの企画、スポンサー探しや経理、契約、売出しなどに関わるのに対し、監督は演出やショットなど作品の見た目に関わります。一つの会社で考えるとプロデューサーは企画・マネジメントを行い、監督は商品開発を行うようなイメージになります。

ただプロダクションの予算や人数などによってはプロデューサーが監督を兼ねることがあったり、まだ経験の浅いプロデューサーとベテランの監督の組み合わせだと監督の方が権限を持つ場合もありますが、基本的に監督とプロデューサーは常に協力し合いながらプロジェクトを進めていく必要があります。

監督がプロダクションで関わる所はどこなの?

撮影現場で「よーい、アクション!」と言うイメージの監督ですが、実はプロダクションではなく、企画段階のプリプロダクションから編集のポストプロダクションまで関わらなくてはなりません。

映像制作のプロセスについては「映像プロダクション(制作)のプロセスを見てみよう」の記事に書いてありますが、各プロダクションで監督がどのようなタスクをこなす必要があるのか、見ていきましょう。

プリプロダクション

プロダクションなどによりますが、映画の場合プロデューサーが映画化する脚本を見つけて、その作品にマッチする監督を見つける所から始まります。インディペンデント映画では監督が書いた脚本を映画化することが多いので、その場合はプロデューサーと同じスタートラインでプロダクションがスタートします。

プリプロダクションでは監督とプロデューサーが同時進行に仕事する事になるので、監督は脚本をもとに絵コンテ、ロケーション、キャラクターのイメージを確定したりするなか、プロデューサーはそれをもとに予算や契約、ロケーションやスケジュールの確定、スポンサー探しなどを行っていくため、仕事量はプロデューサーの方が多いです。

プロダクション

プロデューサーが決めたスケジュールや予算をもとに制作が進行されます。監督は主にタレントや撮影監督、美術などといったスタッフと協力していきながら、監督が持つビジョンを実際の形にしていきます。

基本的に監督がプロダクションを進めていく形になりますが、スケジュールの管理やトラブルが発生した際にプロデューサーまたは現場にいるADやプロダクションマネージャーが対応します。

ポストプロダクション

プロダクションによっては監督自身が編集にを行う場合もありますが、多くの場合はエディターの編集を進め、監督は映像のカットやVFXや音楽、効果音など理想の形になるように作っていきます。編集もかなり長いプロセスになるので、監督はプロダクションよりもポストプロダクションで一番時間をかける事もあります。

このように監督が行う一番の仕事はクリエイティブの部分になり、プロデューサーはマネジメントになるという事がわかると思います。

クリエイティブ担当であることから、作品の方向性をしっかり持つだけではなく、ユニークさであったりセンスが試される場合もあるので、プロデューサーや他の撮影クルーと衝突する事もしばしばありますが、自分の作品を常に信じて制作するのが監督が必要とするものなのではないかと思います。

中にはプロデューサー出身のディレクターであったり、編集・VFX、撮影監督を通して監督になる人は得意分野を活用していることが多く、また違ったプロダクションになるというのも面白い所。

これから色んな作品を作ってみたいという方は自分で監督したり、他の監督のクリエイティブな部分を観察し、他のクルーにどう指示するのかというのも合わせて観察するといろいろな発見ができると思います。

映画であれ、コマーシャルであれ、ブライダル映像であれ、様々な映像作品での監督(ディレクター)は難しそうに見えて、「自分の作品を作る」という思いがあれば意外にも誰にでもなれるものだったりします。

経験等も必要であるものの、始めてみないといつまで経っても物は作れないので、アイディアをビジュアル化してみたり、脚本を書いてみたり、カメラを回してみたり、行動に移すと良いと思いますよ!

(MIKIO)

Photos: Jakob Owens,Chris Murray,Jakob Owens,Seb,William Rouse,Alexey Ruban,Mitch Nielsen,Chris Yang

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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