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映像制作はインハウス、制作会社、フリーランスのどれが良いのだろう?それぞれのメリットとデメリット

プロの映像クリエイターになるには独学や専門学校などのスクールに通って一通り学んだ後、制作会社に入ったり、会社のマーケティングまたは制作部門に入ったり、フリーランスとして案件を取っていく方法の3つがほとんどです。

これから色々な映像を作って、稼ぎたい!という方はどのチョイスを取るべきなのか悩んでしまうところですが、それぞれにもメリットやデメリットがもちろん存在します。

筆者も長いこと個人事業主として企業VPやTVCMといった案件を取っていたのですが、数ヶ月間会社の専属映像クリエイターとして仕事する機会があり、それぞれの良し悪しを紹介していこうと思います。

まず、インハウスと制作会社そしてフリーランスのそれぞれの違いを見ていきましょう。

インハウス、フリーランス、制作会社の違い

インハウス(In-house)とは直訳すると「社内の」という意味。例えば化粧会社の場合であればマーケティング部門の中で映像案件やグラフィックなど、その会社に必要なツールを企画・制作を行います。

制作会社(Production company)の場合はその名の通り映像制作に特化した業務を提供している会社です。インハウスと違って、色々な業界のコマーシャルや企業VPを企画・制作する他、BtoBだけではなくブライダル映像などのBtoCの案件を提供している所もあります。

クライントが制作会社に連絡を取って直接やり取りする方法のほか、間に広告代理店を挟んで代理店の下請けという形で制作する場合もあります。海外だと制作会社の「専属クリエイター」という意味合いで「インハウス」と使われているので、日本のインハウスとはちょっとニュアンスは変わるので注意です。

フリーランス(Freelance)基本的にどこの組織にも所属しない独立した人のことを指します。フリーランス1本で稼いでいる人も入れば、本業とは別に副業としてフリーで活動をする人もいます。フリーランスである程度ポートフォリオを揃えた後で会社を立ち上げる人も多く存在します。

これだけ読んでみると、どれを選んでも良いんじゃないか・・?と考えてしまいますが、それぞれできる事の範囲が変わってきます。それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

インハウス: 安定的な収入だけれど、基本的に同じような案件になりやすい

制作会社ではない一般的な企業のマーケティング部門または制作部門に入るメリットして安定した収入を得ることができます。規模は小さいものの制作会社のようにプロデューサーやディレクターを揃えている所もあれば、「映像ができる」というだけで一人または少人数で案件を回す場合があります。

一般的な企業という事は映像制作に関わりのない社員、上司などと一緒に仕事する事になるので、どんなに頑張っても評価されにくい、制作側の苦労をわかってくれない場合があります。これはソフトウェア開発会社の営業と開発によく起きるトラブルと同じような感じです。

インハウスが抱える案件は基本的にその会社の映像案件になるので、幅広い業種の案件を取れる制作会社やフリーランスと違って、新しい事にチャレンジできなかったり、あまりクリエイティブさを発揮できるような場所にならないかもしれません。また、場合によっては必要な撮影機材が揃っていないので、限られたリソースで案件を作っていく事もあります。

制作会社: クリエイティブさを発揮できるが、体力勝負と給料に満足できない可能性あり

出来る事がやや狭いインハウスと違って、数多くのクライアントを担当できるチャンスがあるのは制作会社です。長いこと回している会社であれば有名な企業のコマーシャル案件などを担当していることもあって、自分のポートフォリオを作っていくには完璧な環境です。

ディレクターや編集などある程度高いポジションに行くことが出来れば、クリエイティブさを発揮できると思いますが、日本の場合は年功序列の環境では変わりないため、制作会社に入った数年はアシスタントなどといった体力的にきつい仕事をこなす必要があります。

また休みが限られてきたり、締切に追われて残業やオフィスでの寝泊まりが起こる可能性がある上に、給料はさほど上がらない場合もあるので注意が必要です。それらを超えられるようになった暁には高いポジションになれる可能性はあります。

フリーランス: 好き放題できるけれど、認められるまでは時間がかかる

これら3つの中で比較的自由度が高いのがフリーランス。フリーランサーはクライアントと直接やり取り出来るため、制作会社にいる時よりもやり取りがもう少し楽になる上に、案件によって価格を自由に変更できるようになります。

ただそれなりの自由が効くようになるのは、実績をある程度積んでからになる必要があるので、最初の頃はその実績を作り上げるためにタダ同然で働いたり、低予算で作る覚悟が必要になってくるかもしれません。

ポートフォリオが出来上がってくると自分を売り込んでいくのが簡単になっていきますが、フリーランスというイメージが出来上がっている以上、制作会社ほどの予算が出ないだけではなく、大掛かりなプロダクションになっていくと、自分で撮影クルーを探す必要があるので注意が必要です。

結局、どこにたどり着くのがベストなの?

どのフィールドに立っていても、メリットとデメリットがあるので正解はありませんが、色々な現場で仕事が出来る制作会社勤務は経験を伸ばす、コネクションを作るという意味では良い選択肢になるかもしれません。ただ、インハウスやフリーランスだと出来ることが限られてくるものの、仕事の大変さや自由度はあると思うので、自分に合ったフィールドを見つけるのが良いでしょう。

制作会社も仕事が多い割には給料が低い所もあるので、理想であればフレックス制の制作会社で副業が大丈夫なところや制作会社・インハウスで実績を作った後で退職し、フリーランスに変えていくというのも一つのオプションです。

これらは住む場所、働く所によっては良し悪しあると思うので、周りを見たり、意見を聞いたりしながらベストなチョイスを探してみてはいかがですか?

 

(MIKIO)

Photos: Jovaughn Stephens,Kyle Loftus(2),Maddy Baker,Gordon Wells

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生の頃に映画製作に興味を持ち始め、中学生の時に部活のメンバーと自主映画を初めて制作。その後フィリピンに留学し、映画専門学校を卒業後、撮影や編集などのフリーランサーを経て、マルチメディア制作会社DreamLine Productionsを立ち上げる。 自分も持っている知識のほか、勉強やメモ代わりに制作などのチュートリアルを投稿していきます。

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