Film 101プロダクション映像ハック

SDやHD、4Kなど色々な画質があるけれど、どれを選べば良いの?

映画やコマーシャルの制作を行う際、何が重要だと思いますか?

ストーリー?撮影クルー?役者?それとも使う機材でしょうか。この質問に関してはどれも正解です。ストーリーが無くては良い物が出来ないし、撮影クルーや機材も良い物を揃えていないと、映像をうまく撮ったり編集をする事は出来ませんよね。

もちろん、プロが使う機材を持っていないから上手く撮れないという訳ではありません。持っているリソースやクリエイティビティを活用することでプロ負けする作品も作ることが出来るのです。

ではストーリーやクルーが決まった後に考えるべきものは何でしょうか?

答えは映像の画質です。標準画質(SD)、ハイビジョン画質(HD)、2K、4Kなどがありますが、これらは一体どういうものなのか、どうして撮影前に考える必要があるのか、紹介したいと思います!

映画やコマーシャルなどといった映像作品を作る際にはまずストーリーを考えた後にクルーやキャスト、ロケーションなどを決めていくプリプロダクション(Pre-Productions)を通してプロダクション(Productions)に進んでいくとこちらの記事で詳しく紹介しましたよね!

プリプロダクションの段階では監督がイメージするクリエイティブの部分撮影許可などを用意していく必要がありますが、その他にもこのプロジェクトがどこに公開されるのかどのような用途があるのか?を考えていきます。なぜかというと、これらは機材や編集などに影響を与える可能性があるからです。

例えば低予算でYouTube公開目的でビデオを作る場合4Kカメラはいらないし、HDカメラで撮影したものの、最終納品はDVDになると変換など無駄なプロセスが出てきますよね。そして高画質のビデオにはそれに合ったパソコンなどの機材も用意する必要があるから。

もちろん、そのプロジェクトが最終的に色々なフォーマットになる場合は別の話ですが、それでも撮影で使う機材は最終フォーマットと同じにする方が良いというのが制作の基本です。

画質やサイズだと非常に幅広い種類のものがありますが、今回はメジャーで使われるものを紹介したいと思います。

 

標準画質(Standard DefinitionまたはSD)

NTSCだと720×480ピクセルPALだと720×576ピクセルのサイズでアスペクト比は4:3の正方形に近いものとなっています。長方形型の16:9もありますが、こちらはレターボックスまたはアナモフィックが使われています。現在の日本ではSDより高画質のHDTV(ハイビジョン映像)にシフトしましたが、2011年までにはテレビで使用されていました。

NTSC、PALなど放送フォーマットによってフレームレートやサイズの違いがありますが、筆者がいるフィリピンなどの東南アジアや他の国など、そしてDVDではSD画質が使われています。

SD画質の良い所は処理もそこまで無いので低スペックのパソコンでも問題なく編集が出来るというのと素材のファイルサイズが小さい事ですが、撮影ではテープを使うのでキャプチャが面倒くさく感じてしまうかもしれません。現在のワークフローのほとんどは後述するHD画質での撮影を行い、必要であれば編集の段階でSD画質に落とす方法が主流です。

ビデオカメラについても、新製品はどれもHDまたは4K対応になっているため、SD画質の新製品のカメラは皆無に等しいのですが、安い価格で本格的なカメラを手に入れたいという方は中古品のSD画質のカメラを購入してみるというのも良いかもしれませんね!

ハイ・ディフィニション映像(High DefinitionまたはHD)

携帯や現在出回っているカメラ、そしてYouTubeを始めとする数多くのサイトで対応している現在主流のフォーマットがHD(ハイ・デフィニション)です。

HD画質は有効画素数が720×1080ピクセルの720HD、1440×1080ピクセルのHDV、1920×1080ピクセルの1920HD(Full HD)の3種類を見つけることが出来ますが、一般的にFull HDまたは720HDのフォーマットを多く見つけることが出来ます。

3種類あるのみなので、一見シンプルだと思いがちですが、各メーカーから色々なビデオフォーマットやコーデックが使われており、パソコンのパフォーマンスや場合によっては対応できず編集が難しい場合もあるので、注意が必要です。

コーデックに関してはSD画質の頃からありましたが、高品質なコーデックやよりファイルサイズを小さくし高画質にするというコーデックが多く出てきているため、撮影前に使うカメラと編集するソフトやハードウェアをチェックし、対応出来るか予めチェックしておくと良いでしょう。

2K,4K(ツーケー、フォーケー)

RED DIGITAL CINEMA CAMERA(通称:RED)が2008年に4K RAW対応のカメラが登場したことで一気にフィルムからデジタルフィルムが進んでいきました。4Kは4096×3112ピクセルで実にフルHDの4倍のサイズになっています。2Kは4Kの約半分で2048×1556ピクセルとなっていますが、それでもSDやHDに比べると画質が良いものとなっています。

SDやHDよりも画質が良く、最近のミラーレスや一眼レフ、そしてiPhoneなどのスマートフォンにもワンランクしたのUltra HD(UHD)対応しているので、4Kで良いのでは?とは思ってしまいますが、こちらはワークフローを見直す必要があります。

2K、4KはHDの何倍もの容量を使ってしまうし、パソコンに関してもRAMが32GB、ビデオカードが4GBのものなどになっていないと編集が難しいです。レンダリングも必要でお金もかなり掛かるので、ちゃんとしたマシーンが無かったり、低予算である場合は少々難しいかもしれません。

2Kや4Kの良い所はとにかく画質が良いことです。最終納品がHDになる場合は、編集時のデジタルズームやクロップ(切り取り)をしても全然気になりません。

4Kなどで撮影した素材をデジタルズームを想定しない上に最終納品がHDであれば、わざわざ4Kで撮らずとも、HD画質で良いと思います。

 

35mmフィルムはどのくらいのサイズ?

4Kなどのデジタルシネマが急成長した理由の一つが、よりフィルムのサイズに近づいたからが大きな理由です。35mmフィルムのサイズは6144 x 4668ピクセルになっており、6Kとも言われています。先ほど紹介したREDからもRED DRAGONやWEAPONなどのシリーズはフィルムサイズに近づいてきていますが、それをさらに上をゆく8Kが登場したことで映像の高精細化が進んでいます。

 

既に8Kや4Kのモニターを持っていたり、シアターで見るにはHD以上の画質はもちろん良いのですが、家庭用テレビのサイズだとあまりその違いが解らないというのが残念なところ。

そしてHDがまだまだ主流なので、自主映画やコマーシャルなどを作りたいと思う方は4Kなどのカメラにしなくても、HDで十分なのです。予算が十分にあったり、本当に必要であればぜひ4Kなどの画質を使ってみると良いですよ!

 

(MIKIO)

 

Additional Photos: Pete Prodoehl,SergiRubió,dog on wheels

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生の頃に映画製作に興味を持ち始め、中学生の時に部活のメンバーと自主映画を初めて制作。その後フィリピンに留学し、映画専門学校を卒業後、撮影や編集などのフリーランサーを経て、マルチメディア制作会社DreamLine Productionsを立ち上げる。 自分も持っている知識のほか、勉強やメモ代わりに制作などのチュートリアルを投稿していきます。

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