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映像制作に不可欠なフレームレート(Frame Rate)はどういうものだろう?そしてその歴史を見てみよう

24p、30p、60iなどカメラや編集をソフトを使い始めるとこの様な数字を多く見つけることが出来ます。これらはフレームレートとスキャン(Scan)を方式を分かりやすく短縮しているものです。もし「24フレームのプログレッシブ」で撮影をするのであれば「24p」のように表示されます。

映像をテレビなどで表示する走査であるスキャンについても知っておくとべき事がいくつかありますが、今回はスキャンの部分は簡単に話すだけにして、フレームレートについてとその歴史を今回の記事で紹介したいと思います。

フィルムリール(Film Reel)に映像を撮影し、それを投影する技術を作り出した1890年代にフレームレート(Frame Rate)という言葉が生まれました。

フレームレートは一秒あたりに何枚の写真(フレーム)があるのか?というもので、数字の後に「fps(frames per second)=フレーム毎秒」という単位が付いてきます。もし映像が30フレームであれば、30fpsのようになります。

過去にもしかしたら教科書やノート1ページ、1ページ棒人間の絵を書いた後でページを早くめくる遊びをしたと思います。絵が連続的に映し出されることで、人間は写真を動画のように見えてくる事をファイ現象(Phi Phenomenom)と言うのですが、アニメーションや映像も同じメカニズムで出来ています。

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どういうことかというと、ビデオがまだ無かった時代はフィルムを使って映画やニュースなどが制作されていました。本来フィルム写真はシャッターを押すことでその瞬間を捉える事ができますが、それは映画も同じでシャッターが連続的に動かくことで一コマ一コマの写真を収めて撮影しました。

フィルムは現像された後、投影機に撮影で使用されたカメラと同じ速度で回すことで、アニメーションのように映像として見せる事が出来たのでした。そのため、映画の別名は活動写真(モーションピクチャー)」とも言われています。

連続的に動く静止画を静止画として認識できる速度は10-12fpsと言われており、12fps以上になると滑らかな動きになる事で人間はそれを映像として認識できるようになります。そのため、動画においてはフレームレートが重要になってくるのです。

世界初の撮影機&投影機を発明したと言われているトーマス・エジソンは1890年代に人間が一番滑らかに見えるフレームレートは48fpsと発表していたものの、人間の手によってフィルムを回していたので1900年代のサイレントフィルムのフレームレートは16fpsでしたが、映像による表現が増えたことで、映画の多くは14-26fpsで制作されていました。

24fps

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24fpsといえば現在多くの映画で使われているフレームレートです。この24fpsが生まれた理由は音声と組み合わせるためによるもの。

サイレントフィルムで主流だった16fpsに音声を付け加えるとマッチせず、24fps以上になるとフィルムの消費が凄いことになる事から、音声とミックスしても違和感が無くかつ、フィルムリールを抑えられるという理由で24fpsが生まれました。また編集でもハーフ&クォーターなど割り切れる数字にもなっているというのも一つの理由だったりします。

60i / 50i

テレビの時代に入ってからは60i/50iのフレームレートが誕生しました。60/50は実はフレームレートではなく、フィールド周波数というもの。テレビはリアルタイムで映像を配信できるようにするためには伝送できるデータサイズを下げる必要がありました。

放送局はインターレース(Interlace)を採用し、一つのフレームを2つの走査線に分けることで効率よく映像を伝送することが出来ました。これらはテレビのリフレッシュレートが絡んでくるため、アナログテレビの放送形式であるNTSCPALに合わせて別の規格が出来ていました。

NTSCは60Hzであるため、1秒間に60回の走査がまず最初のフィールド(奇数フィールド)表示されます。そして次のフィールド(偶数フィールド)が残りのフレーム画像を表示させることを繰り返し行われるため、人間の残像効果によってなめらかな30fpsの映像に見えるようにしています。PALの場合だと50Hzなので、その半分の25fpsが標準化しました。

23.976、29.97fps

先程映画のフレームレートは24fpsだと紹介しましたが、編集やビデオカメラなどを使用していると、24fps=23.976fpsと書いてある事があると思います。このフレームレートはカラーテレビに移行する際、白黒とカラーテレビの両方を伝送できる様に開発した所、音声が帯域幅に収まらないため、フレームレートを0.1%下げることで生まれてきた技術でした。

現在は白黒テレビが無くなりましたが、特に変更が行われず今でも受け継がれている技術です。

 

スマートフォンや一眼レフでは30fps以上のフレートも用意されてあります。これによってスローモーションなどの表現を作り出すことが出来たりしますが、フレームレートはテレビや映画など最終的にどこに配信されるのかを先に頭に入れて、それを基準にカメラや編集ソフトでフレームレートを設定すると良いでしょう。

筆者はこれまでにコマーシャル制作や短編映画などを制作してきましたが、やはり映画のような雰囲気が好きなので、制作のほとんどでは24fps(23.976fps)を使用しています。

フレームレートや放送形式などについては他のサイトでもさらに詳しく紹介されているので、気になる方はチェックしてみると良いですよ!

 

(MIKIO)

Photos: Waldemar Brandt,Daan Stevens,Denise Jans(2),Robert Wiedemann

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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