Film 101プリプロダクション映像ハック

アイディアをコンセプトに変えよう!コマーシャルなどの映像制作をビジュアル化する方法

映画、コマーシャルやドキュメンタリーなどを制作する場合、プリプロダクション、プロダクション、そしてポスト・プロダクションのプロセスを順番に進めながら一つの作品を完成させていきます。

プロダクションのプロセスについては以前キュリオシーンに投稿をした「映像プロダクション(制作)のプロセスを見てみよう」にて紹介しましたが、プリプロダクションで本格的に計画を立てる前にフワフワとしたアイディアをコンセプトに変えていく、開発(Development)も必要になってきます。

今回紹介する開発というものはウェブサイトや建築とかではなく、映像制作で必要なプロセスのこと。

撮った映像を編集するだけだから、そこまで計画を立てる必要は無いんじゃないの?と思ってしまいますが、映画やコマーシャル、ドキュメンタリーといったカテゴリーでも実際に作る前におおよそな完成のイメージを持っておく必要があります。

「短編映画作りたいなあ」、「こんな感じのコマーシャルを作ってみたいな」と思っている方は基本的にふわっとしたアイディアしか出ていないと思うので、それをコンセプトに変えない限りは脚本や絵コンテのステップになかなか移る事が出来ないと思います。

色々あるアイディアをまとめて一つのコンセプトにしたいけれど、どこから始めれば良いのかわからない!という方は今回紹介する方法を参考にしてみると良いかもしれませんよ!

アイディアとコンセプトの違い

アイディア(Idea)コンセプト(Concept)は同じようなものではないの?と思ってしまいそうですが、似ているようで似ていないものです。2つの単語を辞書で調べると下の解釈になっていました。

  • アイディア – 思いつきや着想、考える事
  • コンセプト構想、概念

上の意味を載せるだけだとややこしくなってしまいましたが、基本的にアイディアは「こんなものがあったら良いな」という着想なのに対して、「その着想を形にするにはどうすれば良いのか?」を考える概念がコンセプトです。

そのためアイディア無しではコンセプトも出来ないし、コンセプトも無ければ製品化する事も出来ないので、何かを作る時は必ずアイディアから入る事が多いです。それは映像制作に関しても同じ話になります。

まずは作りたいものを明確にする

映画やコマーシャルといった映像作りたいなー!と思っている方は、ストーリーや演出などを考える以前に「何を作るのか」を明確にする必要があります。

もし映画を作りたいのであればそれが短編なのか長編なのか、ドキュメンタリーであれば歴史系なのか、リアリティー系なのか、コマーシャルであればTV向けなのか、ソーシャルメディアサービス向けなのか、映像作品のカテゴリやおおよその規模感などを事前に決めておくと良いでしょう。

いくつか候補がある場合はそれぞれ違う紙に書いていって、予算や技術的に実現可能かどうかを比較することが出来るのでオススメです。

アイディアとにかくいっぱいリストアップしていく

映像作品に含めたいシーンやストーリー、演出などは頭の中に記憶しているだけだとすぐ忘れてしまうので、ノートやポストイットの紙またはパソコンのメモ帳などを使用して残していくと良いでしょう。

映画などを作ると話の流れなど考慮するべき点が出てくると思いますが、開発の段階ではあくまでもアイディアをコンセプトにするだけのプロセスなので、時系列をあまり気にせずに入れたいシーンやキャラクター、台詞などをいっぱい書いていくと良いでしょう。

コマーシャルの多くの場合はクライアントの要望を入れることになるので、この段階ではクライアントとディレクターのアイディアをヒアリングなどを通して、アイディアをリストアップしていくと思います。

別の作品のシーンや作品自体にインスパイアを受けたり、それをオマージュまたはパロディーにするというのも良いと思うので、印象的な作品等がある場合は作品のタイトルと共にその詳細を記入すると良いでしょう。撮影や編集を担当するメンバーが既にいる場合は説明しやすくなるので便利です。

アイディアをクリーンアップする

先ほどの項目ではとにかくアイディアを多くすると書きましたが、あまりにもアイディアを多くしすぎると作品の統一感がなくなったり、情報が多すぎて観客はどこにフォーカスを当てれば良いのかわからなくなるので、たまったアイディアリストを整理していきます。

クリーンアップする方法は色々ありますが、一番オススメなのか「○、☓、△」の記号を用いるというもの。作品として面白そうなのには「○」、検討するべきものは「△」、現実的に難しそうなものは「☓」のようにカテゴリ分けしていきます。

出来る、出来ないの判断は予算と技術面で左右されると思います。仮に主役にジョニーデップを起用したいが、予算は無いのであれば「☓」、だけど似た人をタレントに迎えるので良いのであれば「△」にするなど臨機応変しておくと良いでしょう。

筆者がこれらをカテゴリ分けするのはアイディアの良し悪しを明確化出来るのが一番の理由ですが、他にもボツになったアイディアでも場合によっては使用できる状況になったり、別のプロジェクトで利用できる可能性が出てきたりするので、その時に見返せるアイディアノートとして活用できるからです。

ダメになったアイディアでも削除はせずにしておくと、後々役に立つかもしれないので残しておくことをオススメします。

 

アイディアを一つのページにまとめてコンセプトに変える

ここまでくれば作りたい作品のおおよそのイメージが出来上がってくるので、前の項目で「○」や「△」に振り分けたアイディアを1ページにまとめて、一つのコンセプトを完成させます。

基本的にルールは無いので、自分に合ったフォーマットで作っても問題ないですが、撮影スタッフや役者の誰が読んでもそのコンセプトが理解できるように、シンプルなものになっていると良いでしょう。

筆者の場合はあらすじ、ジャンル、デュレーション(尺)、参考にする作品、主なロケーションの5つの情報があれば大まかなイメージがつくので、このフォーマットを利用しています。

またあらすじはハリウッド映画などになると製作会社や配給会社に売り込む際に必要なトリートメント(Treatment)に変える事も出来るので、便利になるかもしれません。

ストーリーの時系列に悩む方は、前の項目でカテゴライズしたアイディアをポストイットに書き込んで、始まりと終わりを置いた後はその他のシーンをはめ込むと良いでしょう。ポストイットは何回も取り外すことが出来るので、簡単に順番を入れ替えることが出来るので便利だと思います。

こちらのサイトでも何回か例で出しているストーリーを元にコンセプト化してみたものがこちら。

上記のコンセプトであれば、全体的な映像がなんとなくイメージできると思います。

 

開発の段階では全てのストーリー、台詞、役者などの詳細は特に必要はありません。なぜならこれらは全て脚本を書く時にあれば良いから。コンセプトはざっくりとした内容とあらすじが揃っていて、他の人が読んでもわかりやすければ良いのです。

自分で書く場合はいつでも手元におけるし、脚本家がいる場合はこのコンセプトを渡した上で話しを切り詰めていきながら書くことが出来るので、とても役に立つツールになると思います。

上記の例で使用したコンセプトはWord形式にして公開しているので、下記ボタンからダウンロードすることが出来ます。このフォーマットをそのまま使用するのも良し、情報を増やしてさらにしっかりしたものにするのも良いかもしれないので、ぜひ利用してみてくださいね!

 

素材のダウンロード

このチュートリアルで使用した素材やプロジェクトファイルは全て下記ボタンからダウンロード可能です。個人プロジェクトはもちろんのこと、商用利用も無料なのでカスタマイズしてプロジェクトに追加してみてください。(コンテンツの使用について詳しく見る)

 

(MIKIO)

Photos:  Aaron Burden, Kelly Sikkema,Anthony Indraus,Juan Marin,Tim Mossholder,David Paschke, Ilya Ilyukhin,Hans-Peter Gauster

タグ

こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生の頃に映画製作に興味を持ち始め、中学生の時に部活のメンバーと自主映画を初めて制作。その後フィリピンに留学し、映画専門学校を卒業後、撮影や編集などのフリーランサーを経て、マルチメディア制作会社DreamLine Productionsを立ち上げる。 自分も持っている知識のほか、勉強やメモ代わりに制作などのチュートリアルを投稿していきます。

関連記事

Close
Close