DaVinci Resolveポストプロダクション・編集映像ハック

作品を左右する、色補正やグレーディングのプロセスを見てみよう!

映像作品をより良いものにする要素は作品のストーリーやカメラワーク、編集や音楽など色々な要素がありますが、編集やカメラワークなど同様に欠かせない事の一つが色補正・グレーディングです。

色補正やグレーディングはトランジション同様にシンプルであるのにも関わらず、奥が深く、使う色やエフェクトによって色々な印象を視聴者に与えることが出来ます。

色補正・グレーディングはカラーコレクション(Color Corrections)またはカラーグレーディング(Color Grading)とも呼ばれており、最近ではどちらの単語を使用しても意味合いとしては「色を補正・調整するもの」として成り立ちますが、厳密に言うとそれぞれの役割が違ってきます。

まずは色補正であるカラーコレクションは単一クリップのクリップの明るさやホワイトバランス、彩度などを調整したり、合わせてクリップの左右にある他のクリップと見た目が統一するよう補正」を掛ける事に対して、グレーディングはクリップにフィルターを掛けるような、クリエイティブ寄りな補正になります。

今回はそんな色補正やグレーディングに興味を持つ方々のために、どの様なステージとプロセスがあるのかを紹介したいと思います。

色補正・プライマリーグレーディング(Primary Grading)

撮影されたクリップは使うカメラやLOG、ホワイトバランスなどの設定によって、見た目がフラットであったり、色が変だったりする事があります。

この様なクリップをニュートラルな状態にするのが、色補正またはプライマリーグレーディング(Primary Grading)と呼ばれるプロセスです。こちらでは主にクリップの明るさ、ホワイトバランス、彩度を調整していきます。

明るさの調整

最初に行うべき事はクリップの明るさ調整です。露出オーバーの場合はホワイトポイントを下げ、LOGなどのフラットな映像の場合は、グレーになっている部分をより黒くしていきます。

主にRGBパレードまたは波形を確認しながら、露光量やカラーホイールのシャドウ、ミッドトーン、ハイライトから明るさを調整していきます。

下はDaVinci Resolveでの例です。

波形を見ると「1023」の数値に波形が表示されているので、露出オーバーになっています。ちなみに最上部は白、最下部は黒になるため、上下の線に波形がくっつかないように明るさを調整する必要があります。

今回の例では波形の一番上が「896」辺りにゲイン(ハイライト)を調整し、リフト(シャドウ)では「256」辺りになるように調整していきました。

このままではやや暗いので、ガンマ(ミッドトーン)を明るめに調整すると、この様な感じに。

ホワイトバランスの調整

現在のクリップは赤みがかかっているので、色温度やティント(色かぶり補正)を調整しながら、白色を調整していきましょう。

使用するクリップによって若干変わってきますが、RGBパレードにあるRGBがだいたい揃えば大丈夫です。

彩度の調整

不自然ではない程度に彩度を調整していきます。LOG撮影されている場合は、メーカーによって推奨する彩度があると思うので、それに合わせてみるというのも良いでしょう。

セカンダリーグレーディング(Secondary Grading)

全体的に反映するプライマリーグレーディングと違って、セコンダリーグレーディングではクリップの一部やクリエイティブなルックを反映していきます。

色補正のみで十分であれば、こちらのプロセスをスキップしても構わないのですが、映画のような質感を出したい場合などはグレーディングがあるとベストです。

マスクとトラッキング

キャラクターが履いている靴の色や口紅の色、花の色など一部だけの色を変更したいと思う場合があるかもしれません。

そんな時はクオリファイアー(キーイング)とマスクを使えば簡単かつ、全体的な色に影響を与えずに色を調整出来ます。

またカメラや被写体が動く場合はマスクにトラッキングを追加する必要があります。

トラッキングはターゲットにするオブジェクトを指定して、それに合わせてマスクも動くというもの。特に動きが無いものであれば問題はありませんが、小さな動きでも不自然さを無くすため、トラッキングを追加しておく事をオススメします。

下の画像は手前にある花をよりピンクにしたり、紫色に変更してみました。

コントラストやビネット

色により立体感が出るように、カーブの項目でコントラストを「S字型」に調整したり、マスクを使用して4隅にビネットを付け足すのも、このセカンダリーグレーディングで行われる事が多いです。

クリエイティブLUT

必要であればプライマリーグレーディングで色補正を完了したクリップを一つのグループにまとめ、クリエイティブLUT(Look)を適用する事もできます。

グレーディングのビフォーアフター

いくつかのクリップを使って色補正・グレーディングしてみた例がこちら。

今回紹介した手順は、あくまで一例になります。筆者は基本的に映画のようなカラーが好きなので、比較的コントラストを上げたものが多いものの、色々な設定をいじる事で、よりドラマチックにしたり、ホラー風にしたり変えていく事も可能です。

また使うアプリやエフェクト、そして好みなどによって一部のグレーディングや色補正が前後する事もあります。手順を変えるとガラリと見た目も変わる場合があるので、色々いじってみると良いでしょう!

Davinci Resolveでの細かい操作方法等は詳しく紹介していないので、技術的な部分はまた機会があれば記事化していきたいと思います!

 

(MIKIO)

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こちらの記事はクリエイティブ・コモンズ 4.0 CC-BYライセンスの元公開されています。詳細

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。主に撮影や編集を得意としているほか、ディレクターやプロデューサーなども出来ます。

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