[Premiere Pro] 編集を始めてみよう!プロジェクトの新規作成とシーケンス設定

ノンリニア編集(Non-linear Editing:NLE)はApple Final Cut Pro、Avid Media Composer、Grass Valley EDIUSなどありますが、Adobe Premiere Proもプロの世界で多く使われているアプリケーションです。
編集はクリエイティブとセオリー(理論)部分が絡んできますが、アプリケーションによっても操作が変わってくるので、色々なメーカーから出ている編集アプリでどれを使うべきか悩んでしまいますよね。
アドビがリリースしているPhotoshopやAfter EffectsなどのアプリはPremiere Proとの連携がシームレスに行えるため、これから映像などのクリエイティブの分野に入ろうとする方は、Adobe Creative Cloudをチョイスするのも良いかもしれません。
今回はそんなPremiere Pro CCの「いろは」であるプロジェクトの新規作成とシーケンスの設定を紹介したいと思います。
Adobe Premiere Proは1991年にAppleからQuickTimeの対応ソフトとして160×120ピクセルの解像度のみ対応でしたが、トランジションなどテキストなどを追加することが出来ました。現在は多くのカメラやメディアフォーマットに対応しており、アメリカではAvid Media Composerと並ぶ人気のアプリの一つです。
筆者はPremiere Pro CS2を初めて使って、その後Macに移ってからApple Final Cut Pro 6、7を使用していましたが、Final Cut Proが登場してから、仕様が大幅に変わって使いにくいと感じてしまい、Premiere CS6に戻り、現在は最新版のCC 2018を使っています。
編集はかれこれ10年ほどしていますが、Final Cut Pro(FCP)の使用歴が長かったこともあり、ショートカット等はFCPになっているものの、コーデックのネイティブサポート等もあり、今はFCPよりもPremiere Proの方が扱いやすいと感じています。
これからPremiere Proを使ってみたい!という方に今回はアプリを開いたら一番最初に行う「プロジェクトの新規作成」と「シーケンス設定」のチュートリアルを紹介いたします。
こちらのサイトではCC2018年のスクリーンショットになりますが、基本的にどのバージョンでも操作は同じになります。
プロジェクトの新規作成
Premiere Proを開くと、「スタート画面」が表示されるので、新しいプロジェクトを始めるには左側にある「新規プロジェクト(New Project)」を選択します。
するとこの様なウィンドウが表示されるので、プロジェクト名と保存先を選びます。プロジェクトの名称は同時にファイル名にもなるので、分かりやすいものにすると良いでしょう。今回は「My First Movie」にしています。
プロジェクトファイルのデフォルト保存先はMacの場合ユーザーフォルダ内の「書類」の「Adobe」、「Premiere Pro」内のフォルダーに保存され、Windowsの場合は同じように「ドキュメント」内のAdobeフォルダーに入っていると思います。
名称はプロジェクトを閉じた後であればFinder(エクスプローラー)内で変更できますが、できればこのウィンドウ内で行うと良いでしょう。保存先もデフォルトでも全然構いませんが、編集に使用する映像や効果音などの他の素材も一緒に含めると容量を圧迫すると思うので、外付けのHDDに保存するとベストです。
プロジェクトファイルや素材の保存について
編集には人によって色々なスタイルがあるので、下記を真似する必要はありませんが、長いこと編集をしてきた経験の中でこの保存方法が扱いやすかったので、合わせて紹介します。
まず、Premiere Proを開く前に外付けHDDなどにプロジェクトの名前でフォルダーを作成します。
フォルダ内には「プロジェクト」、「フッテージ」、「素材」、「書き出し」の4つのフォルダーを作成し、フッテージにはこのプロジェクトで使用する映像素材、素材にはBGMや効果音、VFXなどの素材を保存し、Premiere Proの新規プロジェクト画面でプロジェクトファイルを「プロジェクト」フォルダー内に保存します。そして「書き出し」は編集を完了した後で書き出した映像を保存します。
ファイルが整理整頓してあることで、素材が分散することない上、別の人に編集を頼む場合はどこに何があるのか分かりやすくなります。筆者の場合は英語にしているので、上のような感じで管理しています。
Premiere Proの画面
デフォルトでは上部左側に[1]ソースモニター(Source)、右側に[2]プログラムモニター(Program Monitor)、下部左側に[3]プロジェクトモニター(Project)、右側には[4]タイムラインモニター(Timeline)が表示されています。
これらの画面はユーザーが使いやすいようにアレンジすることが可能です。各モニターの機能は下記の通り。
- ソースモニター – 選択中の素材を確認するモニター、エフェクトタブをクリックすることで選択中の素材のエフェクトを追加&編集が可能
- プログラムモニター – タイムライン上の動画をプレビューする。
- プロジェクトのモニター – 編集で使用する映像などの素材を管理できる画面
- タイムラインモニター - 映像素材をここにドロップし、カットやトランジションを付け加えることが出来る
基本的にプロジェクトを開いたら、プロジェクトモニターに素材をドラッグ&ドロップし、タイムラインであるシーケンスを作成することで編集を開始することが出来ます。
素材の読み込み
映像素材の読み込みは前述通り基本的にドラッグ&ドロップで出来ますが、一眼レフやミラーレスなど既にMP4、MOVであれば問題は無いものの、SONY XDCAMやNXCAM、Panasonic P2などの業務用カメラは特殊なフォルダー構造になっているので、簡単に読み込めない場合があります。
その際はプロジェクトモニター内にある「メディアブラウザー(Media Browser)」のタブをクリックするとFinderのようなファイルマネージャーが出てくるので、そこからHDDを選択して映像が保存されているフォルダーを選び、右クリックで「読み込み(Import)」をクリックします。
読み込みが完了すると素材によってエラーが出てくる事もありますが、これは気にせず「OK」をクリックすれば大丈夫です。
シーケンスの設定
編集で使用するタイムラインはシーケンス(Sequence)で行うことが出来るのですが、前述のように素材を一つ選択してタイムラインにドロップすればその素材に合った設定でシーケンスが作成されます。
しかし、素材をドラッグ&ドロップして作成する方法だと、シーケンス名とシーケンスの格納先が選択した素材と同じになってしまい、少し面倒だったりします。
その際はプロジェクトモニターの右下にある「新規作成(New)」のアイコンをクリックして「シーケンス」を選択し、シーケンスプリセット(Sequence Presets)の設定を特に変更せず「OK」を選択してシーケンスを作成すると、プロジェクトモニターのルート上に作成されるので任意で名称を変更すると良いでしょう。
作成されたシーケンスに映像素材をドロップすると、今度は「クリップ不一致に関する警告」が出てくるので、「シーケンス設定を変更」を選択すると、映像素材と同じフレームレート、画面サイズで自動的に変更されます。
もし間違って「現在の設定を維持」をクリックしてしまった場合も大丈夫です。その際は対象のシーケンスを選択した上で、上部メニューの「シーケンス」を選択し、「シーケンス設定」をクリックします。するとこの様な画面が表示されるので、素材に合った設定に変更すると良いでしょう。
ひとまずここまで出来たら、あとは編集を開始するだけ!
シーケンス設定の詳しいことやワークスペースのカスタマイズ方法など他に知っておくべき情報はいくつかありますが、また別の機会で紹介したいと思います。
(MIKIO)