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フリーランスで映像案件を取りたい!実践しておくと良いかもしれない10のこと。

以前、キュリオシーンでは社内で映像制作を行うインハウス、制作会社に所属する方法とフリーランサーとして活動するメリットやデメリットを紹介してきました。

どれを選んでも好き嫌いが出ると思うので正解はありませんが、将来的に独立して自分で仕事を取りたい!と考えている方も居るのではないでしょうか?

筆者はここフィリピン、セブ島で2008年に移り住んでからしばらくフリーランスとして活動した後、小さい制作会社を設立。現在では現地企業や日本にある企業とTVコマーシャルやVP制作などをしてきました。

どうやってクライアントを集めてるの?と良く聞かれるのですが、実はフリーランサーの時にやっていた方法は今でもあまり変えておらず、いくつかの実践方法を行っているだけ。もちろん、今回筆者が紹介する方法以外にももっと良い方法があるかもしれませんが、筆者が案件を取りやすくするために行った10のことをこちらの記事で紹介したいと思います。

1. 提供できるサービスは明確にしておく

フリーランスや独立した後は自分が持っている能力を活かしたいと思って「あれもこれも出来るから、サービスとして含めよう!」と考えてしまいますが、クライアントに提供できるサービスがあまりにも多いと説明しづらい部分が出てくるだけではなく、本来やりたい案件が出来なくなる可能性が出てきます。

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筆者も会社を設立した当初はコマーシャル制作のほか、ブライダルやコーポレートイベント撮影、グラフィックデザインやウェブサイト開発など色々なサービスを提供していきましたが、出来ることが多くても小さい案件しか取れない時期があったりしました。

また一人で回す場合だと対応できるキャパシティーが出てくるので、「確実に出来ること」と「ある程度売上が取れる」サービスを明確にして、プランを立てる事をオススメします。他のサービスを追加したい場合は試験的に提供して、問題がなければやってみると良いでしょう。

2. 内容によって価格を設定する

映像制作はクライアントの要望やコンセプトによって左右されるため価格設定が難しいですが、提供サービスをカテゴライズして、価格の設定を行うと良いでしょう。

例を言うと、会社案内の映像を「Cクラス」、「Bクラス」、「Aクラス」とカテゴライズするとします。

5時間以内の撮影でナレーション&色補正無しの2分程度シンプルな案件が「Cクラス」、1-2日の撮影でナレーション色補正込み、簡単なモーショングラフィックスで尺が5分までの「Bクラス」、3日以上でモーショングラフィックスやCGなどが含まれている案件が「Aクラス」のように提供する内容と価格を設定する事で、サービス内容をクライアントが比較しやすくなります。

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価格一覧や各カテゴリの概要をわかりやすくまとめて、後にウェブサイトやPDFにしてメールとして送ると、実際に打ち合わせをする前にクライアント側も大体の費用感が分かるのでオススメです。あくまでもこの価格設定は最低価格であるため、最終的に見積が変更される可能性があるという事も伝える必要があります。

3. ポートフォリオを作成する

これまでに制作してきた映像を人に口で伝える事はなかなか難しいので、これまでに制作してきた映像案件の見せ場だけをまとめた、ポートフォリオ(Portfolio)、またはショーリール(Showreel)を用意する事をオススメします。

筆者のショーリールの例がこちら。音楽のリズムに合わせて美味しい所だけを見せているものですが、これまでのクライアントのロゴなどを含める事でどういう案件を制作してきたかイメージ出来ると思います。

まだ案件らしい案件が無い方は学生の時や趣味で制作したものをまとめるだけで良いです。今後のプロジェクトでより良い案件が取れると思うので、その都度ポートフォリオをアップデートしていくと良いでしょう。

ポートフォリオで重要なのは誰が見てもつまらないと感じさせない、ぱっとイメージ出来る1-2分以内で制作すること。また案件によってはポートフォリオとして載せていけないものもあるので、クライアントなどと確認すると良いでしょう。

4. ウェブサイト、メールアドレスを作成する

ポートフォリオを作成したら、自分のウェブサイトを用意しておく事もオススメします。

サイト内にあるブログで定期的に更新するとよりベストですが、苦手な方はシンプルにプロフィール、ポートフォリオが見れるページ、お問い合わせが揃っていれば十分です。自分のドメインとドメインで作成されたメールアドレスを用意するとより信用度が上がります。

ウェブ制作の経験が無い場合はWixなどの外部サービスを利用できますが、筆者的にはドメイン契約時にウェブホスティングも追加して、WordPressをインストール。そしてポートフォリオサイトのテーマを購入してインストールするのがベストだと感じています。

サイト内で提供するサービスのカテゴリ別の詳細などは紹介して良いと思いますが、価格を公開してしまうと競合がさらに安い価格で提供してしまう可能性はあるので、ウェブサイト内では価格は表示せず、問い合わせの際に価格を含めたPDFを送ると良いでしょう。

別の機会でまたポートフォリオサイトのチュートリアルも記事化していきたいと思います。

5. 連絡先は出来れば1本化する

SNSが一般的になった時代でTwitterやFacebook、Instagramなどで連絡を取り合う事ができるようになりました。

これらのSNSでポートフォリオを紹介していく事でSNSから仕事の問い合わせが来るかもしれませんが、可能であればウェブサイトの問い合わせフォームから連絡が来るようにしておくと良いかもしれません。

その理由は問い合わせフォームだと詳細をまとめて送る事が出来るため。TwitterやFacebookなどだとどうしてもチャット形式になって時間が無駄に取られてしまうのと、場合によっては相手のイメージがつかめません。

問い合わせフォームだとウェブサイトや本名を必須にする事で、事前にクライアントのリサーチを行えるメリットがあります。この部分に関しては完全に好みなので、SNSでのやり取りがやっぱり良い!という方は問題ないかもしれません。

6. 問い合わせが来たらリサーチしておく

初回時クライアントが問い合わせの際に書いてもらうフォームは「氏名」、「電話番号」、「会社名」「メールアドレス」、「ウェブサイト」と「お問い合わせ内容」です。

ウェブサイトと会社名、お問い合わせ内容を確認しながら、返事を送る前にクライアントのバックグラウンドチェックを行います。実在する会社なのか、その会社の提供サービスや商品は何か?これまでに映像案件があったのか?どんなマーケティングをしているのか?などサクッとで良いので、確認していきます。

こうする事で実際に打ち合わせを行う前に提供できそうなコンセプトや費用感がイメージ出来るだけではなく、「過去にこういうものも制作していたみたいですが・・うちならこういう事も出来ます」のような提案が行えるようになるので、オススメです。

返事する際にカテゴライズされたサービスの詳細と価格を含めたPDFなどを送り、可能であれば残り必要な情報を聞き出すというのも良いでしょう。もし返信が無い場合は興味が無いか、予算に収まらないと感じていると思うので、それ以上は詮索しないのがベストです。

7. 価格のボーダーラインは考えておく

打ち合わせの際に費用の確認が行われ、場合によっては値下げの交渉も出てくる場合があります。

ポートフォリオがまだ少ない段階であれば、無料または多少安くても案件をこなすというのも良いかもしれませんが、これが長く続いてしまうと制作する本人が損してしまうので、ある程度売上が取れる価格のボーダーラインを設定しておきます。

人件費や機材など必要な経費をカバーしつつ、値下げしても問題ない価格になっていれば良いでしょう。ボーダーラインより下の価格を提示してきたり、「他だったらこの価格でやってくれた」と言ってきた場合、無理に案件を取る事はせずに断ると良いです。

最初はなかなか断りにくいかもしれませんが、「断る勇気」が出てくるようになると、営業がもう少し簡単に感じられるようになるかもしれません。

8. ミーティングは出来ればシンプルに

見積書の提出前、契約前の打ち合わせではメールのやり取りでわからなかった部分を聞き出すのが目標です。

しかし、このヒアリングがあまりにも長くなってしまうと時間がもったいないので、ひとまずクライアントが考えているコンセプトや費用感、スケジュールなどを確認しつつ、それを元にその場で提案できるアイディアを共有します。

また映像案件がはじめてのクライアントの場合、映像制作のプロセスや契約内容などシンプルに話せると良いでしょう。

筆者の場合、この段階で会ってくれるクライアントさんは既にメールのやり取りの時点で価格には問題ないと考えているので、仕事が取れる確率は50%になります。後はこのミーティングでクライアントの持つ疑問に受け答えと良い印象を与えることが出来れば、案件に繋がる確率が高くなります。

ヒアリングの段階で「〇〇万円から〇〇万円程度」のようにざっくりとで良いので、制作費の最終価格を伝えておくと良いでしょう。

9. ヒアリングを元に見積書を作成する

問い合わせの時点で見積書を請求する場合が多いですが、可能であれば価格一覧を含めたパンフレットのPDFなどを送って、興味を持ってくれた後でヒアリングして見積書を作成する方が良いと筆者は考えています。

ヒアリングの後であれば大体のクライアント側のイメージが出来上がってくるので、見積書を作成しやすくなるため。

クライアントによっては他に追加料金が掛かるかどうかの心配をする場合もあるので、修正回数やタレントの数、ナレーションの有無などプロジェクトで必要な情報は全て含めるのがベストです。また備考欄にて支払方法などしっかりと明記するようにしましょう。

10. ダメだったら次に移す

打ち合わせで手応えがあったように見えても、「また連絡します」と言われて音沙汰になったりして、最終的に案件がなくなるという事もあります。

非常に残念な結果にはなってしまいますが、シーズンやクライアントの判断など色々な理由があるので、断られてもめげない、しょげない、諦めないで次の案件に移していくと良いでしょう。

筆者も初期の段階ではクライアントとのやり取りで、いちいち一喜一憂していましたが、数年もこういう事をやっていくと、「取れそうな案件」、「取れなさそうな案件」と感覚が付くようになります。

 

また、アプローチ方法を変えたり、ポートフォリオをアップデートしていく事でより縁のあるクライアントと出会う事ができるかもしれないので、色々チャレンジしてみましょう!

自分で案件を取ることはハードルが高いように感じてしまいますが、やってしまえば意外と案件が取れたりするものです。後はクライアントに「一緒に仕事してみたい!」と印象を持ってもらうようにして、プロジェクトをしっかり完成させれば良いでしょう!

 

(MIKIO)

Photos: rawpixel(2,3),NEW DATA SERVICES, Vanilla Bear Films,Victor Garcia, Joanna Kosinska,Le Buzz,Benjamin Sow,João Silas,Akshay Chauhan,Helloquence

MIKIO

小学生から映像制作に興味を持ち、15歳の頃に部活のメンバーと自主映画を制作。後にフィリピン、セブ島に移って現地や海外の企業向けにTVCM、VPといったコマーシャル制作を提供。現在は帰国し、福岡で映像制作などをしています。主に撮影や編集を得意ですが、案件によってはディレクターやプロデューサー行うこともあります。

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